次世代サンドボックスシステムについての仕様まとめ

1. 背景

現在のサンドボックスは一人1ページが割り当てられ、その中にタブなどを用いて個人個人が好きな方法で複数の下書きを管理しています。この方法はページ数が制限できるという点で、膨大な利用者が存在するサンドボックスを管理する上では有効ではあります。しかし一方で、実際に下書き批評を行う際にタブの誤認を起こしたり、ギミックを仕込んだページを上手く動作させられないといった問題点が多く存在しています。またこの下書き批評の現状のシステムについても、近年のメンバー増加に伴う絶対数の増加や、批評中/終了のステータスがわかりにくいといった多くの問題を抱えています。
これらの問題を一挙に解決する方法として、批評用の専用個別ページの作成の解禁と、その管理システムの導入を提案します。

2. システムの説明

このシステムは、大きく分けて3種類のページをサンドボックス内に作ることで機能させることが出来ます。以下に個別のページ種を説明します。

2.1. 下書き専用ページ

下書き専用ページは、このシステムの核となるページであり、下書きそのものだけでなくディスカッション・批評ステータスを個別管理するための要です。このページは特定の命名規則に従ってdraft:カテゴリ内にユーザーが任意に作成することが可能であり、タグによって批評中・批評終了のステータスを管理します。これによって批評中のタグが付けられたページは後述の批評ハブページに表示されるようになり、批評者に準備が整ったことを知らせることが出来るようになります。また、批評終了後のページも纏めて表示できるため、削除などの管理が容易になります。

批評ディスカッションについても、そのページについているコメントスペースを利用して行うことが出来るため、下書きとスレッドの対応がわかりやすくなります。また、wikidotテンプレートシステムによってコメントモジュールをページ内に表示するようにすれば、いちいちブラウザタブを切り替えてコメントと下書きを往復する必要もなくなります。これは、ListPagesを利用する批評ハブページから、ディスカッションに直接リンクできるようにするという意味でも必要な表示形式です。

更にこの下書き専用ページは、批評ステータス以外にも批評ジャンルタグというものを設定できるという大きなメリットがあります。このタグはSCP・Taleといった大分類だけでなく、ホラー・SF・シュールなどの文学的な傾向の分類を行ったり、科学・歴史・宗教・言語などの専門知識についての評価や校正が欲しい事を批評者に知らせることが出来ます。これによって下書きと批評者の高精度なマッチングが可能となり、批評者の負担軽減につながると考えられます。

また、テンプレートを使用することによってタグの付与手順を大幅に簡略化することが出来るようになります。これは、iftag構文とタグボタン構文という2つの要素を組み合わせることで、予め設定したタグのリストの中から任意のものをボタンクリックのみで付与する事が出来るシステムになります。批評中・批評終了のステータス切り替えもこれで簡単に実施が可能です。

2.2. 批評ハブページ

以上の下書きページを纏めて一箇所に表示するのが、批評ハブページとなります。このページについては、下書き専用ページに付与した機能に従ったソートを行うことで、批評者に自分の得意分野に合った下書きを見つけてもらうというのが主な機能となります。複数タグ検索システムの簡易版のようなインターフェイスを設けることで、批評者が下書きを探しやすいようにする予定です。ソート方法がページ単位となるため、唯一コメントの新しい順には完全には並べ替えることが出来ませんが、最新のポスト一覧でその完全な代用ができます。限定的な機能ながらも、コメントの新しい順のソートシステムを作成しています。

2.3. サンドボックスポータル

大量に作成される下書き専用ページをユーザーごとに管理し、更に旧来の自由サンドボックスを含めた各種リンクを纏めるためのポータルページです。このページはほぼ自動的に生成出来るようにする予定であり、現在のサンドボックスページと同じくユーザー名を自動的にページ名として設定したページを作り、その後作成ボタンを押すだけで完成します(自由編集可能なスペースは設けるかもしれませんが)。この実現のためには、wikidotテンプレートシステムを用います。表示項目としては、ページ名を引数としたListPagesモジュールによる下書き専用ページ一覧、最新下書きのページ名から次の下書きのページ名を生成しページ作成用リンクを作り出すhtmlブロック、旧来のサンドボックスへのリンクを予定しています。

このポータルはサイドバーに表示しますが、表示の自動化も検討しています。テンプレートシステムでは、フォーム入力によってユーザーに特定のパラメータを選択してもらうことが可能であり、これによってページ名(ユーザー名)の頭文字に応じた特定のパラメータを割り振ることが可能になります。この設定したパラメータを元に、サイドバー内にページリストを生成すれば、リストの自動化も行えると考えられます。この部分の使用については、現在詳細を検証中です。ページの頭文字ごとに個別のタグを付与し、ListPagesで管理する方法に変更しました。タグが自動付与できる上、表示用のListPagesのタグオプションを弄ることで文字範囲が可変になるため、ユーザー増加にも臨機応変に対応できます。

3. メリットとデメリット

3.1. メリット

  • 批評中の下書きのみをリスト化できる
  • 過去の自分の下書きとその批評の参照性が上がる
  • 批評を行う際、他の書きかけの下書きと間違えることが無くなる
  • 批評ディスカッションと下書きをワンページで表示できる
  • 下書きと批評者のマッチングが取りやすくなる
  • サンドボックスサイトの「最新のポスト」が下書き関連のみになるので、事実上専用化できる

3.2. デメリット

  • 大量のページが生成される
  • 下書きページを個別に作成する手間がかかる
  • 「新しくコメントが投稿された順」の下書きのソートができない「新しくコメントが投稿された順」の完全なリストを表示できない。

4. モックアップ

4.1. リンク

システム総合ページ
http://shitake-crude-production.wikidot.com/advanced-sandbox-system
ポータルページのテンプレート
http://shitake-crude-production.wikidot.com/portal-test:_template
下書きページのテンプレート
http://shitake-crude-production.wikidot.com/draft-test:_template

4.2. 実装済み機能

表示系システム

  • 下書きページのリスト表示(記事フォーマット、言語をアイコン表示可能。リンクにマウスオーバーすることで200文字のプレビューを表示。1番目のポストを概要として表示。)
  • リストの並び替え及び、記事カテゴリ・ジャンル・アトリビュートタグでの絞り込み機能
  • コメントが新しい順の下書きリスト(複雑なシステムを使用。最新の20ポストのデータを元に作成しているため、コメントが偏った場合表示が減ってしまう。こちらは最新のコメントを表示。)
  • ポータルページの半自動生成
  • サイドバー用のポータルページの名前順の一覧表示
    HTMLブロックを用いたボタンリンクによる表示範囲の切り替えシステムを導入し、表示範囲の設定を容易に変更できるように調整した。また、htmlブロックの自動調整機能と別ページを利用した、ページ切り替え無しでの文字範囲リスト切り替えを実装した。

ポータルページ

  • フリーのサンドボックスページへのリンク
  • 批評中の下書きリスト、全ての下書きリスト
  • 新しい下書き作成時の、オートナンバリングシステム
  • フリースペース

下書きページ

  • ページ中へのコメント及び投稿フォームの表示
  • 批評ステータス変更ボタン(無し→批評中⇔改稿中→批評終了→無し)
  • 記事フォーマット設定ボタン(SCP-JP, Tale-JP, GOIフォーマット, 翻訳, その他を排他的に設定可能)
  • 翻訳タグが付いた場合の言語設定ボタン(こちらも排他的に設定可能)
  • ジャンルタグの設置(テキトーに設定したので、要議論)
特に明記しない限り、このページのコンテンツは次のライセンスの下にあります: Creative Commons Attribution-ShareAlike 3.0 License