2020/10/5にOda_keeentさんが投稿された翻訳記事『アストロラーベ研究所ジャーナルからの抜粋』は、低品質な翻訳とみなされ、2021/5/4に削除されました。
以下は低品質な翻訳とみなした理由です。なお、こちらはfumeinadebaisuさんのコメントを使用させていただいています。
バイロン氏の軍事訓練の痕跡は明らかだったものの、世帯は小さく、まばらに装飾されたタウンハウスでした。
(原文: The household was a small, sparsely furnished townhouse, though artifacts of Mr. Byron's military training were evident.)
furnishはもう少し意味の広い単語なので、sparselyと合わせて「調度品の少ない」ぐらいの訳がいいと思われます。
451-DIZZY-COW Occurrenceの事件は、現時点では、安全面から見て、最大の公共の脅威です。
(原文: The events of 451-DIZZY-COW Occurrence, are, at this time, the greatest public threat to safety from the anomalous community.)
"from the anomalous community"が訳抜けしています。
デバイスでQRコードをスキャンして、記事全体を展開します。
(原文: Scan QR Code with your device to unfold the full article.)
「記事全文を展開するには、お持ちのデバイスでQRコードをスキャンしてください」という感じに訳せる、手順の指示であるタイプの命令文です。
私は問題の組織で働いていた。GOCではないが、同じぐらい目立ってる他の組織だったな。
(原文: I was working for the organization in question, it's not the GOC, but one of several others who are still somewhat prominent today.)
"one of several" "still somewhat … today"が訳抜けしています。また、ここでのprominentは「主要な・顕著な・傑出した」の方がいいでしょう(流石に異常の起きる前は普通に秘匿組織であったため、超常界隈では知らぬ者のない存在でも社会一般にはあまり気付かれていないと思われるので)。
製油所は最前線で、郡内の小さな異常をいくつか観測していた。
(原文: The refinery was a front, and we were monitoring several very small anomalous occurrences within the county.)
ここでのfrontはフロント企業・団体のことだと思われます。
中西部北部は主要なつながりに近くてな、モリンスキーは近くに無かったが、交通量はかなりあった。
(原文: The north Midwest is very close to a major nexus, and while Molinksy isn't close, I can safely state that there's a fair bit of traffic through the county.)
このnexusは財団世界の固有名詞としてのネクサス(リンク先を参照)です。
そうだ、私が米国陸軍を出てから、GOCによって異常な物体を処理するように訓練された。
(原文: That's correct, I was trained to handle anomalous entities by the GOC once I got out of the United States Army, the organization I was last employed to then headhunted me.)
the organization以下が訳抜けしています(所謂run-onセンテンスであるため、本来はコロンの代わりにカンマかセミコロンが置かれているべきであり、完結した一文として読み解くべき節)。
製油所のサイトでは、私は警察の連絡係だった。それが私たちが最初に電話の呼び出しを受けた理由だった。
(原文: At the refinery site, I was a police liaison, it was how we were first alerted to the call.)
"alerted to the call"はcallがおそらく警察への「ドゥーグ」に関する異常な通報で、それに傍受か内部協力者からの報告で気付いたということでしょう。
多くの人が、警告なしに突然家に生き物が現れたと報告したんだ。
(原文: Many people reported creatures suddenly appeared in their houses without warning.)
ここでの"without warning"は「唐突に・突然に・何の前触れもなく」の意味のイディオムの方として解釈した方が自然でしょう。
話に戻ると、分析のために持ち込まれた生き物はどれも、私たちが収容してた様々な種類のアノマリーとも一致しなかった。
(原文: Going back to the story, none of the creatures brought in for analysis matched any sort of description of an anomaly we had in containment.)
"description of"が訳抜けしています。
1匹の動物は背が低く、恐ろしく押しつぶされた顔でしゃがんだ。
(原文: One animal was short and squat with this horrifically squashed face.)
このsquatは動詞ではなく直近のwasと結びついた形容詞であり、意味も「しゃがんだ」より「ずんぐりとした」の方だと解釈することが可能です(問題の「ドゥーグ」がパグやブルドッグの類であることを考慮)。
溶けたような顔をしていて、頭蓋骨から垂れ下がっている別の何かもいた。奴らの血まみれの目は貴方を哀れむかのように見ていた。
(原文: There was another who had a permanently melting face, all drooping off the skull, with these bloodshot eyes that just looked at you really pitifully.)
permanentlyが訳抜けしています。droopの節はfaceに対する形容と解釈するのが自然でしょう。
また、pitifullyも犬の感情ではなく、人間が犬を見た感想として解釈する(すなわち、例えば「血走った眼でひたすら全くみじめに(我々を)見るばかりだった」)のが話の流れとしては自然です。
国民収容クラス
(原文: CITIZEN CONTAINMENT CLASS)
citizenは市民と訳した方がいいと思われます(おそらくはcitizen scienceを意識した表現であり、実際終盤では一般大衆に収容方法を教えようとしているため)。
ベン・ナイマン博士, 博士号, 医学博士
(原文: Dr. Ben Nyman, Ph.D, M.D.)
どちらも日本の教育制度における相当物がない(M.D.は大卒後にしか入れず4年過程だがPh.D.とは明確に別、地域によってはPh.D.に入らない院相当の過程があるなど)ので、訳さずそのままでもよかったように思います。
バイロン氏のトラウマの本質は、神経概念的である可能性があります。
(原文: It is suspected that the trauma suffered by Mr. Byron may be neuro-conceptual in nature.)
トラウマというと多くの人は心的外傷を連想してしまうので、外傷としておいた方がいいでしょう(明らかに一般的な意味での外傷性の問題ではなさそうなのはさておき)。
モリンスキー警察局が到着したとき、彼らは当然のことながら警戒していたが、その後、何か奇妙なことが起こった。
(原文: When Molinksy PD arrived they were justifiably alarmed, but then something odd happened.)
ここのthenは時間経過は時間経過でも、イベントの前後関係を表すニュアンスのように感じます。
猫とほぼ同じだったが、家から取り出した例では、肉体的に大きな違いがあった。
(原文: They were roughly similar to a cat, but across the examples I retrieved from houses there were gross physical differences.)
ここでのretrieveは「回収」と解釈するのが自然です。その他、similar、house、grossに対応する訳が、間違いとは言えないがこなれていない印象です。