Red_Shrimp氏が2022/09/12に翻訳したSCP-3262は低品質な翻訳として2022/09/17に削除されました。
以下は低品質とみなした理由です。
タグについて
Red_Shrimp氏の付与したタグは、"en" "safe" "scp" "変身" "生命"ですが、原語版のタグは"en" "食物" "人間型" "金属" "ミニチュア" "移動" "批評者スポットライト" "safe" "知性" "scp" "自我" "道具" "変容"でした1。
構文について
インタビュー記録に使用されている枠の構文が、原語版と異なっているようです。rev.8時点では同様の構文が使われていたようですが、翻訳者のRed_Shrimp氏が砂箱で翻訳を開始した9/11時点では現在のリビジョン(rev.29)となっているため、リビジョンが古いという可能性は低いのではないかと考えています2。
JPで構文が利用できず、代替として別の構文を使っている可能性があったため、使用できるか試したところ、問題なく使用可能でした。
このように表示されます。
訳質
Flips_0122氏によっていくつか指摘がなされているため、その他の点で指摘点が存在しないか確認します。
特別収容プロトコル
Access to the object and subsequent testing is only permitted by or in the presence of a researcher with Level 2 or higher clearance.
オブジェクトへのアクセスとその後のテストは、レベル2以上のクリアランスを持つ研究者によってのみ、または研究者の立ち会いの下でのみ許可されます。
Google翻訳
オブジェクトへのアクセスとそれに続く実験は、レベル2以上のクリアランスを持つ研究者によって、またはその存在下でのみ許可されます。
- ここにおけるsubsequenceはその後という意味よりも、the subsequent chapterなどの表現に使われる、時間による指定のないものと思われます。
- テストが許可されるのはレベル2、またはそれ以上のクリアランスを所持している研究員にのみ許可されている者と思われます。その為、レベル2以上のクリアランスを持つ研究員にのみ許可される、という文面で問題ないと思われます。
- Google翻訳と、or higher clearanceの誤訳が少し類似しているように思われます。
訳案: オブジェクトへのアクセスとそれに続くテストは、レベル2以上のクリアランスを保持する研究員にの立会いの下でのみ許可されます。
説明
SCP-3262's first anomalous effect manifests when it is used to cut food. No matter what type of food the item is used to cut, it will always make a perfectly clean cut. From what has been observed, no matter how much the knife is used, the blade will never go dull.
SCP-3262の異常な効果は、食物を切断するときに現れます。どんな種類の食物を切断するときも、常に完璧な切断を行います。観察から、ナイフがいくら使われても、切れ味が落ちることはありません。
- first、manifestが訳抜けしているようです。特に、firstは次のパラグラフでsecondと、順序付けて説明が行われているので、反映させた方が良いと思われます。
- the item is used to cutが上手く訳に反映されていないように見えます。
訳案: SCP-3262の第一の異常性の出現は、食物を切断する場合です。オブジェクトを用いて食材を切断すると、その種類に関わらず、常に完璧に切断されます。観察により、ナイフが何度使われた場合でも、鈍化しないことが判明しています。
The separated piece of the food item would then become subject to SCP-3262's second anomalous effect. Approximately fifteen seconds after separation, this piece would begin to be transfigured, its shape and form altered to take on the anthropomorphic traits of a miniature infant and become animate. This includes a plump physique and even the display of behaviour corresponding with those of infants or children.
このナイフによって分離された食料品はSCP-3262の異常効果の対象となります。分離から約15秒後、物体は小さな幼児の特徴を帯びた人型実体に変貌します。これには、ふっくらとした体格や、乳児や子供の行動に対応する行動さえ含まれます。
- secondが訳抜けしています。
- anthropomorphicの意味が上手く訳出されていないように思われます。
- become animateが訳抜けしています。
訳案: このナイフによって分断された食品は、SCP-3262の第二の異常性の対象となります。分断から約15秒後、物体は擬人化的で小さな幼児の特徴を持った人型実体へと変化し、活性化します。これにはふっくらとした体格や、幼児や子供に対応する行動も含みます。
補遺
Addendum 3262.1: Test Log (Latest — #34)
補遺3262.1: [実験記録#34]
- latestが訳抜けしています。
訳案: 補遺 3262.1: テストログ(最新 — #34)
Waeller: All right. This is test number 34, involving SCP-3262. We'll be using a carrot, a fresh one still with its greens on top, washed thoroughly so that nothing nasty gets mixed in there during the transfiguration process. To be perfectly honest, I doubt this test would bring anything new to the table, but of course, there's no harm in trying.
ウェラー:よし。これはSCP-3262のテスト番号34です。私たちは葉がついている新鮮なニンジンを使い、変態プロセス中に異物が混ざらないように徹底的に洗います。正直に言うと、私はこのテストが新しい結果をもたらすとは思わないが、もちろん、試みることに害はない。
- コロンの後に空白がないようです。
- doubtと言っているので、テストが新しい結果をもたらすか疑問に思っていると訳した方が適切と思われます。
- ここにおけるharmは損、と訳した方が自然と思われます。
- 口調の揺れが気になります。
訳案: ウェラー: よし。このテストはSCP-3262の34番目のものです。我々は、変化プロセス中の異物混入を防ぐため、徹底的に洗浄した葉のついた新鮮なニンジンを用います。正直なところ、私はこのテストが新しい結果をもたらすのか疑問です。ですが、当然やって損はありません。
[Dr Waeller nods and smiles before taking SCP-3262 with her right hand. She then places the carrot on the cutting board in front of her.]
[ウェラー研究員はうなずき、微笑んでからSCP-3262を右手で掴みました。それから彼女はニンジンを目の前のまな板に置きます。]
- 原文と構文がかなり異なっています。中央に揃える構文、文字を斜めにする構文が利用されておらず、テキストの色も原文と異なる色が使われています。
- この前のところで、ウェラー氏は上級研究員(Senior Resercher)と役職が登場していたため、上級研究員に統一した方が適切と思われます。
- takingは手に取る、くらいの意味合いと思われます。
訳案
[ウェラー上級研究員は頷くと、微笑みを見せてからSCP-3236を右手にとる。そして、彼女は前にあるまな板へとニンジンを置いた。]
[While holding the lower end of the carrot with her left hand, she slowly places the knife above the carrot on the other end. She then cuts off a large chunk of it which still held the carrot top.]
[左手でニンジンの下端を握りながら、彼女はゆっくりとナイフをニンジンの上に置きます。それから彼女は、ニンジンの大きな塊を切り落とします。]
- on the other endが訳抜けしています。
- aboveが訳しきれていないように思われます。
- which以降が訳抜けしています。
訳案
[左手でニンジンの下端を握ると、彼女はナイフを持ち上げ、ニンジンの反対側の端へと当てる。彼女はそれから、ニンジンの上部のある方を大きな塊として切り落とした。]
[Dr Waeller picks up the piece and holds it up, with the carrot's inner core facing the camera.]
[ウェラー研究員は、ニンジンを拾い上げて断面をカメラにかざした。]
- pieceとなっているので、切ったニンジンなどと訳しても良いかもしれません。
- facingは見せるとしても良いかもしれません。
訳案
[ウェラー上級研究員は、ニンジンを掴むと、その断面をカメラに見せる。]
Waeller: A perfectly clean cut, consistent with all the previous tests.
ウェラー: 完璧な切断、これまでの結果と変わらない。
- 完璧な切断、というのは人が言っていると考えると、もう少し口語的に訳した方が適切と思われます。
- allと強調しているともとれる単語が使われているので、訳に反映させても良いかもしれません。
訳案: ウェラー: 完璧に切断されています。これまでのテストと全く同じです。
[She leaves SCP-3262 on the cutting board and places the cut piece down on a weighing scale situated to the left of the board. Shortly afterwards the chunk begins experiencing SCP-3262's second anomalous effect.]
[彼女はSCP-3262をまな板の上に置き、切断されたニンジンを板の左側にある体重計に置きます。その直後、SCP-3262の異常な効果が出現し始めます。]
- leavesとあるので、SCP-3262をまな板からはかりに移したということと思われます。
- weighing scale situatedですが、体重計というよりは、今回は食料品の重さを計るものとして登場しているため、計量器やはかりと訳す方が適切と思われます。
- the chunkが訳抜けしています。繰り返しの表現を省いた可能性もありますが。
- secondが訳抜けしています。
訳案
[彼女はSCP-3262をまな板から持ち上げると。まな板の左にあるはかりへとニンジンの切ったものを乗せる。その直後に、SCP-3262の第二の異常性が発現する。]
[As the chunk began to be transfigured and started taking a more humanoid form, small limbs emerged including facial features, with the eyes being two tiny black beads, and ears, which were a pair of orifices extending inwards into the head. The carrot leaves, already attached, extended from the top of the instance's head. Shortly after, it became animate and sat upright on the board. It begins to look around before beginning to suck on its thumb.]
[塊が変貌し始め、より幼児によく似た形になり始めると、顔と小さな手足が現れた。目は2つの小さな黒いビーズ状で、耳は頭部の内側に伸びる一対の穴であった。ニンジンの葉は、対象の頭のてっぺんから伸びています。その後すぐに、対象は生き生きと動き出し、まな板に座りました。それは周りを見回してから親指をしゃぶる動作をしました。]
- humanoidなので、人間に類似したという意味と思われます。
- already attachedが訳抜けしています。
- uprightが訳抜けしています。
訳案
[ニンジンの切ったものは変化をはじめ、人間に類似した形になりだすと、顔と小さな手足が出現する。眼は一対の小さな黒いビーズであり、耳は頭部への内側へ伸びる一対の穴であった。その後、すぐの対象は動き出し、背筋を伸ばしてまな板の上へと座った。対象は辺りを見渡すと、親指をしゃぶりだす。]
まとめ
タグや構文のミスだけでなく、訳質もテストログは確認した範囲内ですがほぼ全文に指摘点が存在していました。そのうえ、登場人物の口調の揺れが原文ではそのような様子があるわけでもなく存在しており、人物像を把握しきれていないように思われました。
このことから、翻訳投稿ガイドにおける「訳文は原語版のSCP作品に対して忠実であり、完成されている必要があります。」、「訳文は原語版のSCP作品に対して忠実であり、完成されている必要があります。」に違反しており、低品質な翻訳と認められると私は考えております。