NukaKamo氏が2022/11/24に投稿したSCP-7404は低品質な翻訳として2023/06/17に削除されました。以下は低品質な翻訳と見なした理由です。なお、一部報告者であるC-Dives氏のポストを引用しています。また、このポストにおける私訳の「私」はC-Dives氏を指しています。
SCP-7404は低品質な翻訳に該当する可能性があるため、報告させていただきます。
全体的に短い記事ですが、やや大雑把な訳 ("secluded peace"を単純に"閑地"とするなど) や誤訳 ("the coffin upon which a stone fascimile of SCP-7404 sits with an unknown man in repose"を"SCP-7404の石像と未知の男が眠る棺"とするなど) が散見されます。
特に気になる点として、“infovore”という用語を“情報収集や情報解釈に耽溺し、それを欲する人”という一義的な解釈の下に使っている節が見受けられます。文中の“データベースのバックアップを摂食”などの記述を見れば、この記事におけるinfovoreが“データ等の情報を食べる(異常な)実体”を指していることは明白であり、初訳者が十分に記事の内容を理解していなかった可能性があります。
The SCP-7404 slot has been designated the burial site of SCP-7404, and arranged as such.
SCP-7404スロットは、SCP-7404の埋葬地と指定され、そのように整備してください。
- 日本語として不自然。「~され、そのように整備されます」或いは「~し、そのように整備して下さい」とする方が適切かと。
SCP-7404 was a hostile infovorous entity that could traverse analog and electronic database systems.
SCP-7404は、アナログ及び電子データベースシステムを自由に移動することのできる情報収集と解釈に耽溺し渇望する敵対的実体です。
- 「情報収集と解釈に耽溺し渇望する」という表現は報告書の文章においては不適切と思われます。また、今回の場合、「情報を摂食する」という意味で使われているものと思われます。どうやらinfovore(info-vore)が情報を貪り食う(ように情報収集やその解釈をする)者という科学用語なので。
It would be contained six times, where it would remain for an average of 6 months before escaping.
6回にわたって収容され、平均6カ月間収容された後、脱走したことが確認されています。
- 原文に確認するという意味の単語は含まれていないかつ、原文の補足にしてもこれだと脱走を財団が黙認しているようにもとられ、原文の意味が取りにくくなってしまっているように思えます。
また、補遺の文章を読む限り、原文と比較してもクリニカルトーンから逸脱しすぎているように感じられました。
Visitors may peer through the iron bars of its doors, at the coffin upon which a stone fascimile of SCP-7404 sits with an unknown man in repose; otherwise, they may read the poem engraved upon the mausoleum's four faces:
訪問者は鉄格子の扉越しに、SCP-7404の石像と未知の男が眠る棺を覗き込むか、霊廟の4面に刻まれた詩を読むことができます。
- ここのotherwiseはAだけでなくBもできるといった意味で使われているのでしょう。現行の訳ですとどちらかしかできないとも読み取れてしまいます。
Nature’s first green is gold,
Her hardest hue to hold.
Her early leaf’s a flower;
But only so an hour.
Then leaf subsides to leaf.
So Eden sank to grief,
So dawn goes down to day.
Nothing gold can stay.
自然の最初の緑色は金色、
彼女の持つ最も難しい色合い。
彼女の最初の葉は、花。
しかし、ほんの一時間だけ。
そして、葉は葉に沈む。
だからエデンは悲嘆に暮れた、
夜明けが昼になるように。
金色の物は何一つ残らない。
- この詩ですが、goldとhold、flowerとhourなど韻を踏んだ文章になっています。全てを反映させるのは容易ではないかもしれません。しかし可能な限り韻をどこかで踏んだ訳にするべきではないかと思います。