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創刊五周年記念巻頭特集: 茜刺財団新聞の歴史
2018年の今日(3月19日)。茜刺財団新聞の第一号が投稿されました。本紙は今月号で創刊5周年を迎えます。
本稿は、過去のポストやNanimono Demonai, kotarou611, aisurakuto各氏への質問や、当時をよく知る多数の方々への確認を元に、Misharyが独断で執筆したものです。
突然の質問へ回答して頂いた各氏、及び当時の状況を教えて頂いた諸氏には、この場を借りて深く御礼申し上げます。
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茜刺財団新聞前史: SCPにおける「ニュース」の成立 (~2018年3月)
トップニュースのような、出来事単位で起きた事を掲載する場というもの自体は、古くから各支部に存在していました。しかし、茜刺財団新聞のような「ニュース」——SCP財団のコミュニティに関する情報をまとめた月報形式の記事——を初めて発行したのは、ロシア語版Wiki (SCP-RU) でしょう。2011年3月2日に投稿された『Архив новостей за февраль 2011(2011年3月ニュースアーカイブ)』は、2011年2月にSCP-RUで発生した出来事や、新たに投稿・翻訳された記事をつぶさに記述するものでした。ある程度の期間ごとに、ニュースと新規投稿記事を列挙する形でこの記事は構成されています。同支部のニュースはその後も続き、現在まで12年以上に渡ってSCP-RU内外のニュースや新規記事を紹介し続けています。
これに影響を受けて、当時SCP Foundation Wiki (SCP-EN) のJunior StaffだったDecibelles1氏が中心となって投稿されたのがNews for October 2015 SCP Foundation Newsでした。全体的な雰囲気はSCP-RUのそれとよく似ていますが、レイアウトには後追い故の洗練された部分がみられます。Decibelles氏は、サイトニュースは分離して巻頭に置き、各週に投稿された記事の全てを掲載するという手法をとりました。サイト外のニュースは巻末にまとめているというのもこの記事の特徴です。Decibelles氏自身は2016年12月号を最後にFoundation Newsの編集から離れたものの、A Random Day氏を始めとする並みいるスタッフたちによってこの事業は引き継がれ、レイアウトの変更やお洒落なCSSテーマの導入を経つつ今日に至っています。
またこの裏では、非公式企画ながらdjkaktus氏によって『KaktusKast』が催されていました。2014年から2018年にかけて27回作成されたこの企画は、同氏がメインパーソナリティーとなり、毎回著名な著者をゲストに迎えるラジオ形式の企画でした。著者などにインタビューをしたり対談したりするという企画は、今日多数支部のニュースに於いて行われていますが、KaktusKastはその先駆の1つと言えるかもしれません。
あるいは『世界の歴史』こそが、「インタビュー」や調査記事の先駆と呼ぶべき存在でしょうか。Roget, 即ちRJB_R氏らによって2013年から2014年にかけて作成されたこの連作は、SCPというコンテンツそのものとSCP-ENの2007年から2012年まで5年間における歴史を著述するものでした。歴史の編纂にはDrGears氏やKain Pathos Crow氏のようなwikidot時代最初期に活躍した著者へのインタビュー回答が資料の一つとして用いられ、しばしば引用されてもいます。wikidot版SCP Wikiを立ち上げたThe Administrator氏へのインタビューは、それ単独で記事として建てられています。Roget氏はSCP-RUやSCP-KOのような最初期の非英語支部についてもその歴史を綴る記事を作成しましたが、結局2013年のPart VIやその他の支部の歴史は作成されずに終わり、また別の取り組みを待つこととなります。
SCP財団日本語版Wiki (SCP-JP) では、2017年の2月の『SCP-JPの略史』という形で結実します。seafield13氏の作成した年表を底として、jet0620氏が文章化した記事で、『世界の歴史』に比べれば事実列挙の側面が大きく、過去に公開されている情報を集約した程度のものではあります。しかしながら散逸しがちな歴史を多くの人が見やすい形でまとめたという意味では重要性は高いものだったといえます。
その他の支部で特筆すべきものとしては、SCP財団韓国語版Wiki (SCP-KO)では2015年3月18日に、『엣씨판 (Supper Communication Paper)』が作成されています。KaktusKastを参考としつつ、ニュースやSCP解説、外部コミュニティへのインタビュー・対談やクロスワード、マンガなどをそなえた巨大な記事で、後にSCP-JPでも寄稿募集の一例として用いられました。
『엣씨판 Super Communication Paper』はその後blogspot (2015年3月~2016年5月までの60余記事) やnaver (2015年3月~2022年8月の約200記事)といった外部サイトで企画が継続しました。本サイト上でも2017年2月からニュースの投稿が開始され、こちらは現在も発行が続いています。
茜刺財団新聞の誕生 (2018年3月~2019年11月)
当時SCP-JPの管理者であったNanimono Demonai氏によって茜刺財団新聞の第一号が発行されたのは、2018年3月19日の事でした。その1月前の2月19日にスレッド「サイトニュースとか月報とか」を建ててサイトニュースに関する話題を出していた彼は、3月13日にSCP-JP運営チャットの#small-talkチャンネルでサイトニュースを作成しようというアイデアを表に出します。同日中に題字や概形を作り上げた彼はスレッド「財団新聞を作りたいです」を開きます。同スレッドでは「SCP-JPでも月報形式のニュースを作成したい」と表明し、編集長や寄稿者、4コマ作家など新聞作成の協力者を募集していました。
(茜刺財団新聞を創刊したのは)WIKIの変化が速くなっている時期で、知らせたい内容をまとめて一気に見れる箇所が欲しかったから - Nanimono Demonai
既に2年半に渡って発行が続いていたSCP-ENのSite Newsの影響を受け、またKaktsuKastへの対抗心もあって、このプロジェクトを始動したのだと言います。
先行する月報ニュースを参考としながらも、Nanimono Demonai氏は茜刺財団新聞をSCP-JP独自の特色あるものにしようとしました。当時SCP-ENのSite Newsは、次のような構成になっていました。
注目記事、月間イベント参加記事、各週ごとの新規投稿記事、サイト外のニュース。
一方で、茜刺財団新聞第一号の構成はこうです。
サイトニュース(サイト内、SCP-EN)、前月投稿の高評価記事、注目記事、4コママンガ、特集、委員募集、コラム、広告。
投稿記事の網羅的なリストアップは行わない代わりに多様な独自コンテンツが挿入され、より「読み物」としての新聞らしい記事となった印象です。Nanimono Demonai氏は前述のスレッド内で、新聞らしさの象徴として特に4コママンガを重視しており、実際にblackey氏の作成した物が第一号に掲載されました。
更に茜刺財団新聞には、独自テーマも実装されました。これは、前年開催の四周年イベント夏季コンテスト「死のコンテスト」のためにNanimono Demonai氏自らが作成したCSSテーマを転用したものです。この茜刺財団新聞テーマは多少の修正を加えられながらも今日まで用いられ続けています2。
茜刺財団新聞の第一号は4コママンガを除いて全てNanimono Demonai氏の手によって作成され、アートワークとして投稿されました。当初は隔月投稿の予定であったこともあってか、あるいは単に忘れていた為か、4月号は作成されませんでした。
Nanimono Demonai氏は新聞の発行に関する権限を他のスタッフへ移管し、独立したものとすることを考えていました。5月2日にNanimono Demonai氏は『財団新聞作りたいです @ 5月の話』スレッドを作成し、次号である5月号の作成を行うメンバーの募集を行いました。ここで手を挙げたのが、管理者の1人であったkotarou611氏でした。
最初のきっかけは、その1年前に投稿されたSCP-JPの略史を読んだことだったと思います。これは16年までのSCP-JPコミュニティの動きを記したエッセイなのですが、個人的にはとても意義のあるものだと感じていました。
というのも、この頃はサイトの出来事をまとめて、後から情勢を追いやすくするような記事が無かったからです。流れを掴もうとすると、それこそ「最近作成された記事」やフォーラムの「最近の投稿」に張り付くくらいしかなかったんですよね。リアルタイムで追っているうちはまだしも、時間が経ってから遡ろうとすると非常に大変だったのを覚えています。
そんな折にNanimonoさんによって新聞1号が投稿され、「これを待ってた」と。そのまま同氏が投稿を続けられると思っていました。しかし、後に新聞編集者の募集があり、Nanimonoさんはあくまでサポートに徹するとのことでした。こういったニュースの執筆や編集の経験は無かったものの、万が一誰も名乗り出なければ企画が流れるかもしれないと、立候補した次第です。 - kotarou611
5月12日、SCP-JP運営チャットへ#茜刺財団新聞(現在の#新聞編集委員)チャンネルが設置され、Nanimono Demonai氏、kotarou611氏の両名、Nanimono Demonai氏から直接参与をお願いされたモデレーターのhal_aki氏を加えた3名が当座の間新聞の編集議論を行うこととなりました(但しhal_aki氏はあくまで補助的な立ち位置で、編集委員と呼んでいいかは議論の余地があります)。
新聞編集委員発足後最初となる『茜刺財団新聞 2号 平成30年 5月』は5月30日に投稿されました。下書きはSCP-JPサンドボックス2の専用共有ページで編集され、Nanimono Demonai氏・kotarou611氏がニュースなどコンテンツの大部分を執筆し、ukarayakara(特集)y33r41(コラム)、Yukisan(四コマ)、TVfish(コンテスト求人広告)の各氏による寄稿を掲載するという形態を取っています。1年前に投稿された上位記事とその抜粋を掲載する「去年の今は」が掲載されたのも、この号からです。
ここまで早く進められたのは、やはり1号の時点で基本的なレイアウトが形作られていたというのが大きいと思います。もちろん、ご寄稿いただいた方々のご尽力や、Nanimonoさんとスタッフのサポートがあったからこそですが。
ニュース記事以外のコーナーをどうするかというところで、1号で既にあった高評価記事コーナーを発展させる形で、記事やメンバーを表彰する場を増やそうと考えました。メンバーの方々のモチベーションになり、少しでもサイトが活発になればと思ったんです。他にも、バックナンバーで後からサイトの動きを追う際、過去にどういった記事が好評だったのか容易に把握できるようにする意図もありました。後には、最多投稿者・翻訳者や著者ページ作成者まで掲載対象を拡大しました。
また、その一環として、過去の作品を発掘する注目記事のように、ちょうど1年前のその月に好評だった記事にもう一度スポットを当てる企画を開始しました。それが「去年の今は」です。まだ読まれてない方には気になった記事に触れる機会に、既に読まれている方には「あったあった」とあの頃を振り返るなり「もう1年経ったの!?」となっていただければいいなと。記事の一部をキャッチコピーとして引用するのは注目記事に倣ったものなのですが、あれ選ぶの結構楽しかったんですよね。 - kotarou611
第1号はNanimono Demonai氏個人による創作物であったため「アートワーク」タグが付与されていましたが、本記事では「エッセイ」タグが使用されています。以降、2021年1月に「ニュース」に置き換えられるまでの約2年半に渡って茜刺財団新聞はエッセイとして投稿されていました。
Nanimono Demonai氏が月刊で発行することを考えていたこともあり、第3号以降は基本的に毎月発行されるようになります。『茜刺財団新聞 3号 平成30年 6月』では「定例会予告」が現在の形となり、「X月の著者ページ作成者」が掲載されるようにもなりました。
茜刺財団新聞はその歴史を通じて慢性的な寄稿欠乏症に罹患していると言えるかもしれません。最初期から様々な場を通じて寄稿を募集しており、それに応えて持ち込まれた寄稿を嬉々として掲載してきました。あるいは、「ディスコードで目についた人に」(Nanimono Demonai氏談)寄稿をお願いする形でも集められました。第2号のディスカッションにも、寄稿を募集している旨のポストが大々的に為されています。そういう努力の中で3号には、後に主筆となるaisurakuto氏が「今月の一枚」を、karkaroff氏が休載を挟みつつ現在まで連載が続く『財団世界 隠蔽事件記録』を寄稿しています。『4号 平成30年 7月』には、Hagi_wind氏の作成したパズルが掲載されています。一方、自然に終わりを迎えた企画も存在します。Nanimono Demonai氏のIllustratorの契約が切れたことで3号以降架空広告画像は作成されず、そのまま途絶してしまいました。コラムである「黝月闞吼」も『5号 平成30年 8月』掲載のukarayakara氏著「財団の夏」を最後に作成されなくなっています。
自分の人事ファイル設定がカメラマンだったので、これに沿って写真作品を新聞で出してもいいのでは?と思い撮影・投稿しました。にぎやかしくらいの気持ちでした。「歌う雨音」イメージで、「ビルダーベア」と「ねこ」のてるてる坊主を作った覚えがあります。続けようとうっすら考えていましたが、翌月に写真がないあたりやる気が続かなかったようです。 - aisurakuto
新聞編集が次第に定式化され、kotarou611氏が編集に習熟する中で、Nanimono Demonai氏は新聞編集から離れていきます。これは元々予定されていたものでした。
(新聞編集をスタッフ業務としたのは)家康が家督をすぐに譲ったのと同じ理由で、権限の移譲を素早くしたかったから - Nanimono Demonai
(新聞編集を離れたのは)自然に。当初から権限移譲する方向であったから
新聞委員会が管理者と独立して機能していると思われただろうと思われたタイミングで - Nanimono Demonai
Nanimono Demonai氏は、5周年イベントの主導など管理者/スタッフとしての職務が多かったことや、新聞の編集経験がなかったことから、当初から茜刺財団新聞発行を他のメンバー/専門の編集委員会に移管することを考えていました。新聞編集委員成立後も多少なりとも編集には参与したものの、特に何かの役職に就くことはありませんでした。3号(平成30年6月)以降はニュースの執筆もkotarou611氏単独で行われるようになっています。
2018年9月7日には茜刺財団新聞ハブが投稿されます。SCP-ENのSite News Hubを参考としたもので、ほとんど変わらず現在までハブとして機能し続けています。
発行を重ねるうちに溜まってきたバックナンバーをまとめるのと、新聞自体のスタンスを明確にするために、ハブページを作ったりもしました。リソースの関係で内容は必要最低限に留めましたが、もうちょっと何かあってもよかったなと思います。 - kotarou611
十分移譲が果たされたと考えたNanimono Demonai氏は、ハブ作成後に作成された『6号 平成30年 9月』完成稿へのコメントを最後に、茜刺財団新聞への関与を完全に終わらせました。
その後の約1年間はほとんどkotarou611氏単独で編集が行われ、これにkarkaroff氏の『財団世界 隠蔽事件記録』が数度の休載を挟みつつ連載され続けるという形で、茜刺財団新聞の発行が行われました。
やりがいはありましたが、楽だったと言えば嘘になります。
(中略)
正直なところ、この時期は毎月の新聞作業で手一杯で、コンテンツの拡充や新たな寄稿の呼びかけまで手が回らなかったというのが実情でした。 - kotarou6112019年の3月27日には「SCP-JP公式アナウンス」(現在の「SCP財団Wiki 日本語版 公式」)がkotarou611氏によって始動し、『茜刺財団新聞 平成31年3月号』の投稿告知を最初に、財団新聞の投稿がサイト外でも広く告知されるようになりました。
SCP-JPの管理者を兼任するkotarou611氏には他に担当すべきタスクも多く、ほとんど1人で茜刺財団新聞の編集・投稿を行うことは大きな負担となっていました。当初は新聞の発行時期を同月末から次月頭とするなどでなんとか発行が続いていましたが、遂に2019年6月号が発行されずに終わります。8月に入っても2019年7月号発行の動きが無く、8月12日にモデレーターのizhaya氏が休止中かの確認を行います。多忙により遅延する旨報告されたkotarou611氏へ、izhaya氏は8月22日に原稿作成の支援を申し出、6月・7月の最多翻訳者編集を手伝うこととなりました。
当時の集計は完全に複数タグ検索ツールを用いて行われていたことも、新聞編集のタスクが重くなっていたことの要因でした。この問題は、テクニカルスタッフであった7happy7氏によって新聞用集計ツールが作成されることによって一定の解決をみせます。当初7happy7氏は自身の著者ページにツールを設置していましたが、様々なコンポーネントが用いられている同氏の著者ページは重かったため、それ専用のページである茜刺財団新聞 管理用ツールが作成されました。現在も使用されており、編集委員は非常に援けられています。
個人的に一番大変だったのは集計作業です。当時は複数タグ検索を用いて集計していたのですが、ミスが出ないよう1記事ごとにタイトル・リンク・著者をコピペし、それを数十記事分行う作業は、かなり神経を使うものでした(実際何度かやらかしています)。後にテクニカルスタッフの方が集計用のツールを作ってくださったおかげで、その作業は格段にやりやすくなりました。ありがたい限りです。 - kotarou611
数人の編集委員で分担して何とか投稿を続けている現在の編集委員の主筆という立場からすると、1年もの間一人で新聞の編集支えつづけ、SCP-JPにその存在を定着させたkotarou611さんの費やされた労力と功績は偉大なものだったと考えています。
その後8月号から11月号までの4ヶ月、新聞の刊行は行われませんでした。茜刺財団新聞に、大きな体制の改革が必要とされる時が来たのです。
新聞編集委員コントリビューターの成立 (2019年11月~2020年8月)
Seafield13 — 2019/11/20 18:22
財団新聞編集委員をコントリビューターとして募集することを提案します
現在タスクが積み上がっていることで財団新聞が約4ヶ月にわたって刊行できていません。そこでコントリビューター扱いで編集委員を募集し、スタッフのタスクに関わらず刊行できる体制を構築してはいかがでしょうか2019年末ごろは、スタッフ全体の対応すべき業務が処理能力を上回っていた時期でした。茜刺財団新聞を一人で切り盛りしていたkotarou611氏は2018年の末から管理者を務めていました。8月に茜刺財団新聞の創刊者でもあったNanimono Demonai氏が退任したことで、膨大なサイト参加申請の処理やスタッフワークの管理を僅か3名のアクティブな管理者で行わなければならない事態に陥っていました。その他にもkotarou611氏は定例会コントリビューターやタグ・コントリビューターを兼任していました。このような背景もあって茜刺財団新聞は4ヶ月の休刊を経験します。
この状況を打開するために、当時モデレーターであったseafield13氏が提案したのが新聞コントリビューターの設置です。既に「合作記事剪定コントリビューター」や「サンドボックス3オペレーター」など多数のコントリビューターが存在しており、業務の分担によく機能していました。kotarou611氏を含む多くのスタッフがこれに賛同し、6時間後にはkotarou611氏が募集要項を完成させました。まもなく質問スレッド及び募集スレッドが建てられ、2週間の募集とその後の任用投票を経て、応募者全員——aisurakuto、H0H0、mC shrimp、suzu の4名——がコントリビューターが任用されました。
端的に言うと、キャパオーバーしたためです。スタッフ業務と並行して新聞全体の作業量を毎月1人でこなすのは流石に無理がありました。
とはいえ、企画自体を潰すわけにはいかないので、今のような分業制に移行するべく、コントリビューターとしての編集委員の募集や、ここまで蓄積してきたノウハウを活かしたマニュアルの作成を行いました。不甲斐ないことに、他のスタッフの方に指摘されるまで、分業制にする考えは頭にありませんでした。プロジェクト立ち上げ当時に編集メンバーに立候補される方が他にいらっしゃらなかったので、募集しても集まらないだろうと。1人で回すしかないという固定観念があったのだと思います。
今思えば、それは単に実績がまだ無かったからで、19年に入った時点で十分土台作りはできていましたし、もっと早く、それこそ1周年を迎えたあたりにでもこうすべきだったと深く反省しています。 - kotarou611このころ新聞はkotarou611さんのワンオペですべて制作されており、発行が滞っていた時期でもありました。そのためスタッフ側で組織化する流れになったのですが、ネックになる本文執筆の担当者が現れるか、外から見ていて若干不安でした。なので半ば使命感からの立候補でした。 - aisurakuto
コントリビューター任用の裏でkotarou611氏は『新聞編集委員用マニュアル』を作成していました。業務引き継ぎはこのマニュアルによって行われ、各メンバーの希望を元に担当が決定されました。主筆であるkotarou611氏の担当は「去年の今は」と連載企画の調整(と全体の統括)へと大きく縮小し、他の部分はaisurakuto氏がニュース記事の執筆、サイド広告、そして定例会予告3を、H0H0氏が最多翻訳者と著者ページ作成者を、mC shrimp氏が高評価記事と最多投稿者を、suzu氏がニュース記事のネタ出しと取材、注目記事を担当する事となりました。
下書きの作成は従来から変わらずサンドボックスⅡの下書きページを利用していますが、一度サンドボックスⅢ上に担当部分の原稿を作成し、主筆の確認を経て新聞下書きへ反映されるようになっています。
2020年1月1日に全ての下書きが出そろい、同日中にコントリビューター発足後発となる茜刺財団新聞 16号 令和元年 12月が発行されました。トップニュースは同日より投稿期間が開始したSCP-2000-JPコンテストの話題です。奇しくも同コンテストのテーマ「変遷」が、茜刺財団新聞の変化と歴史を象徴しているかのような新たな門出となりました。
これ以降財団新聞編集委員の各員が決められた担当範囲を毎回執筆するという分業制が確立し、また茜刺財団新聞は「共著」記事として扱われるようになります。記事の発行は題名月末から翌月始めをめどとするようになりました。kotarou611氏のマニュアルやコントリビューターなどによって確立された新たな茜刺財団新聞とそのプロジェクトは、現代のそれと共通する部分が非常に多く、このころ「現代的な」茜刺財団新聞の基礎が改めて築かれたとみることが出来ます。
分業制にしたことで1人あたりへの負担はかなり減りました。作業をマニュアル化したり徐々に自分の裁量を減らしていったりと、なるべくいつ誰が交代しても存続できるように心がけていたつもりです。
今となっては、このプロジェクトはそもそも1人で回すようなものではなかったのだと思っています。編集委員の方が来てくださって本当に助かりました。1人で続けていたら企画自体無くなっていたかもしれないと考えると、つくづく属人化はよくないと痛感しました。 - kotarou611
後進の育成やノウハウ継承を兼ねて、主筆以外のメンバーが記事を投稿することも出てきます。2月号はaisurakuto氏、3月はH0H0氏が相次いで投稿を担当しています。その後も主筆以外の人物が新聞の投稿を担う事例がしばしばみられるようになりました。
いくつかシステムの変更も行われました。2月12日にはH0H0氏の提言によって新聞ハブのバックナンバー並び順の統一が行われました。また3月8日には"news-jp"タグが実装されます。これは当時一般メンバーであったukwhatn氏の要望、すなわち同氏のガイドハブ改革提案の関係から、親ページ(パン屑リスト)登録とタグ作成の何れかを実行してほしいという希望に応えてのものでした。コストを鑑み、親ページ登録は為されませんでした。
新聞編集委員の人手は十分足りているものと考えられており、2020年春のコントリビューター募集での募集の予定はありませんでした。しかし、3月30日に#staff-updateにてsuzu氏がリアル生活の多忙を理由として「3月31日を最後に渉外スタッフと新聞編集委員を退任」したい旨発表しました。これによって欠員を補う必要が生じ、コントリビューターの募集が行われました。これによって6月30日、MisharyとKuronohanahanaの両氏が新聞編集委員に任用されました。
2020年6月ですね。私はその少し前に、2020年のエイプリルフール(財男爵芋)に企画側として参加していました。そこからサイト運営に興味があったのですが、まずは実績を積まないといけないな、と思いサイトスタッフになるひとつ前のステップとして新聞編集委員を選んだという経緯です。 - Kuronohanahana
この新規任用に際し、それまでサンドボックス上の下書きとして存在していた茜刺財団新聞マニュアルは財団日本支部理事会の新規ページへと移行されました。新規コントリビューターのオリエンテーションは、財団日本支部理事会上のマニュアルを読破することによって代替されます。
協議の末、Kuronohanahana氏が最多翻訳者1位を、Misharyが同2、3位を担当する事となります。それまで最多翻訳者を担当していたH0H0氏はmC Shrimp氏から最多投稿者を引き継ぎました。またsuzu氏の退任により、ニュースの担当はaisurakuto氏1人になります。
新たな分担で作成された『茜刺財団新聞 23号 令和2年 7月』は8月2日、新規コントリビューターの1人であるMisharyが投稿を担当しました。この号は、kotarou611氏が編集委員として関与した最後の茜刺財団新聞にもなりました。
aisurakuto期 (2020年7月~2022年4月)
7月27日、kotarou611氏は全ての役職(サイト管理者・タグコントリビューター・新聞編集委員)からの辞意を表明しました。主筆の後任は、本人の立候補とkotarou611氏の指名によってaisurakuto氏となります。kotarou611氏が担当していた「注目の記事」と「去年の今は」は、それぞれmC shrimp氏とMisharyに引き継がれました。またそれまでkotarou611氏によって為されてきたTwitterでの新聞投稿告知は、TasteHill氏など他の管理者によって行われることとなります。
私生活や心境の変化により、この頃にはSCPに割ける余力もあまり無くなってきていました。
ズルズル続けて非アクティブになるよりも、このあたりでスパッと身を引こうと決め、業務が比較的落ち着いた頃に辞任を表明いたしました。既に分業制で新聞を回せるようになっていたので、もう自分が退いても問題ないだろうと、次代主筆をaisurakutoさんにお任せしました。 - kotarou611
Wikiの動向を追いかけ、それを新聞という形で後世に残すというのは、大変ながらも(やっていた本人が言うのもなんですが)やはりとても意義深い活動であり、得難い経験だったと感じています。
この2年と少しの間、Nanimonoさんが立ち上げられた企画を引き継ぎ、基盤を整えてきました。一度は頓挫しかけましたが、いろいろな方々のご協力のおかげで、なんとか次に繋ぐことができてよかったです。 - kotarou611
「やるしかないでしょ」くらいの動機でした。そのころはkotarou611さんの活動自体が鈍っており、流れとして自分が後任を引き受けるのが自然だろうなと考えていました。 - aisurakuto
aisurakuto氏が主筆となって以降2020年中の新聞編集は、集計・掲載対象を巡る細かな議論こそ幾つかあったものの、再び順調に進んでいきます。(個人的には、集計や職掌に関する議論検討での自らの稚拙さを恥じたい時期ではあります)
8月29日にはNanigashi Sato氏によるSCP-JP運営チャットのチャンネル構造改革の中で、チャンネル名が#茜刺財団新聞から#新聞編集委員に変わっています。
この時期に発生した出来事で最大のものは、『財団新聞 下書き用共有ページ』の新設です。それまで新聞の最終稿編集はサンドボックスⅡの専用ページで行われていましたが、サンドボックスⅢへ新たに共有ページという枠組みが設けられようとしていたことから、新しい場への移行を行おうとしたものでした。8月23日にaisurakuto氏が#砂箱3共有ページにて新聞業務用共有ページA類の作成を依頼し、同日中にテクニカルスタッフのshu_yabiyabi氏によって前述のページが作成されました。
2020年冬のコントリビューター募集では、タスク負担やaisurakuto氏のバックアップを考慮して新たにニュース本文専任の編集委員を1名募集することととなりました。しかし立候補者が出なかったため、新規任用は行われませんでした。
2021年に入ると、改革の波が茜刺財団新聞にも及ぶこととなります。
1月9日、H0H0氏は、個人的な事情から最多投稿者の担当が難しくなった為他の委員へ引き継ぎたい旨発表しました。Misharyが手を上げ、この業務を引き継ぐこととなります。
1月11日、SCP-JPタグ改革が実行されます。"news-jp"タグを用いていた茜刺財団新聞は今後ENと同様の"news"タグを使用することとなります。それ以上に大きかったことは支部タグの導入で、機械的な集計が非常に容易になりました。またそれまで付与されていた"エッセイ"タグは今後外される事となります。
1月21日、aisurakuto氏は企画募集の促進を目的として、フォーラムへ専用スレッドを建てるというアイデアを明らかにしました。このアイデアが結実するには、もうしばらくの時間を要することとなります。
この時aisurakuto氏は同時に、スタッフにむけてニュースのネタ等がないか尋ねました。これに手を揚げたのがウィキ運営スタッフとして多数の改革を主導していたNanigashi Sato氏でした。氏は1月14日ごろから「スタッフ佐藤事務員の政策レポート」の原稿を作成しており、これを「スタッフ仕事してんだぞアピール」の場として(あるいはメンバーへの改革等の周知の場として)新聞へ掲載したいという考えをあかします。他スタッフの指摘を反映しつつ完成した原稿は茜刺財団新聞 29号 令和3年 1月に掲載され、それ以降毎月連載となって今尚続いています。
毎月投稿の度に行われていた茜刺財団新聞題字バナー2種をアップロードするという作業も、この号から廃止されました。2020年から稼働を開始していたSCP-JPファイルストレージへ、Nanigashi Sato氏の提案を受けてaisurakuto氏によりバナーが投稿されたためです。これによってSCP-JP本サイトの画像容量と新聞投稿プロセスの負担が共に少し軽くなりました。
トップページのニュースや過去のニュースへ茜刺財団新聞発行の報せが掲示されるようになったのも、令和三年一月号からのことです。これも、Nanigashi Sato氏によって開始されました。
また同号には、SOYA-001氏の作成された「東弊舎電算機 電端」広告画像が最下部に掲載されました。大正150年に属する直前に投稿された記事に使用されていたものを転用した形ですが、創刊当初Nanimono Demonai氏が作成していた広告画像を彷彿させるものでした。翌2月の30号にも、RTa_technology氏(現在のR74氏)によるSCP-JP第一回構文調査調査員募集の広告が掲載されています。
公式イベントの総評が当該イベントの集結を報せる記事に掲載されるということが常態化したのも、この1月号掲載の「『財団職員 The Identity』閉幕」に主催者aster_shion氏の総評が載せられてからのことです。主催者がイベントを振り返るという構造自体はそれ以前から存在していました。2020年の秋に開催されたチームコンテストで主催のmeshiochislash氏は、MVP記事の選出理由を含むコンテスト全体の総評を執筆しハブに掲載しています。ただし同コンテストの集結を伝える茜刺財団新聞の記事は、総評の存在にこそ触れているものの掲載はしていません。2月初頭にSCP-JPイベント委員会でのaisurakuto氏、Nanigashi Sato氏、hannyahara氏などによって幾ばくかの議論が行われた後、この総評が掲載されました。4月号掲載の「SCP財団、破産」にも、「エイプリルフール2021秘話(無粋な内容を含みます)」が掲載されました。これは新たに発足した2021年度8周年委員会の代表に就いたNanigashi Sato氏が、エイプリルフール企画(SCP財産)運営の裏話を綴った物です。次の公式コンテストである素手喧嘩コンテストに際しても、『茜刺財団新聞 33号 令和3年 5月』掲載の「素手喧嘩コンテスト決着」に主催者であるJiraku_Mogana氏による総評が掲載されました。以降コンテスト等のイベント集結ごとに主催者による総評が枠を設けて掲載されるようになります。
一昨年の改革については佐藤さんから提案があったことが大きかったです。元々危機感はあり、コンテンツとしての訴求力も落ちているだろうなと思ってはいたのですが、広報を大きく動かすならスタッフ側を巻き込んで企画を練る必要があり、私生活や創作との兼ね合いもあってあまり動けませんでした。(元々自分は意欲的なスタッフではありませんでしたし)なので、wikiスタッフである佐藤さんが言い出してきてくれたおかげで、上手く乗っかることができました。サイトメンバーは互いを利用しあって自分の思惑を通していきましょう。 - aisurakuto
2月4日、Nanigashi Sato氏は一つのスレッドを建てます。タイトルは『【意見募集】◯◯翻訳強化月間について【集まれミスター・ほんやく】』。タグを選定し、1か月間そのタグが付与されたページの翻訳を促進するというキャンペーンです。当初は毎月開催の予定でしたが最終的に隔月開催となり、『茜刺財団新聞 30号 令和3年 2月』で次月からの開催が予告されました。予告の通り『茜刺財団新聞 31号 令和3年 3月』から企画は始動し、最初のテーマは【馬/equine】でした。しばらくの間は、発案者であるNanigashi Sato氏がこの企画を管理することとなります。
Mishary — 2021/03/31 17:48
カスタムテーマポリシーもありますし、流石にそろそろ茜新のテーマもSCP-JP上に上げてそこからincludeする形にした方がいいのではないかと思っています。3月31日、Misharyは茜刺財団新聞のテーマをSCP-JPサイト上へアップロードし、今後の新聞では当該ページからテーマをincludeするように改めることを提案しました。題字バナーがSCP-JPファイルストレージへアップロードされた後も、茜刺財団新聞のテーマ自体は毎号module cssに記述され、原稿と共に投稿されることが続いていました。2020年8月にカスタムテーマポリシーが制定され、多数のカスタムテーマ-JPが投稿されていました。Mishary自身が提案1月前の2月19日にマンハッタン・クライシス テーマを投稿していたことが、この提案に導いた可能性があります。aisurakuto氏もこれに同意しますが、いくつかの懸念事項や嚙み合わせの関係で実現は数か月後となりました。
7月5日、ウィキ運営スタッフShinoguN氏により「去年の今は」集計対象に翻訳記事を加えてはどうかとの提案がありました(それまではJPオリジナル記事のみ)。担当者であるMisharyはこれに同意し、『35号 令和3年 7月』から翻訳記事が翻訳投稿日を基準として集計対象に加わることとなりました。初めて掲載対象となったのは『39号 令和3年 11月』掲載のベスレヘム・スチール(著: The Great Hippo、訳: Rokurokubi)でした。
茜刺財団新聞の下書き作成にサンドボックスⅢの共有ページが用いられるようになって以降も、その原稿作成プロセスは従来から大きく変わっていませんでした。即ち、各委員や寄稿者が一度個々人のサンドボックスⅢ下書きページに原稿を作成し、それを主筆が確認した上で共有ページへ反映するという形式です。Misharyは、これでは共有ページの特性を十全に活かせておらず、主筆にコピー&ペーストの余計な負担がかかると考えます。そこで7月7日、次月以降各自の手によって共有ページへ反映することを提案しました。これに主筆のaisurakuto氏が同意し、7月号は試験的に提案方式を採用することを決めました。以降の新聞編集は基本この形式で行われています。
7月26日、H0H0氏は一身上の都合により令和3年7月号限りで編集委員を辞任する意志である旨発表しました。同氏が担当していた著者ページ作成者の業務は、1月の最多投稿者と同様にMisharyが手を上げ、これを継承することとなります。Kuronohanahana氏はMisharyの負担が大きいのではないか(このころMisharyは最多投稿者・最多翻訳1位・著者ページ作成者・去年の今はを担当していました)との懸念を示し一部タスクを引き受けてもよいと提案しましたが、Misharyは月1なので等とこれを固辞しています。
7月31日、Misharyは茜刺財団新聞ハブへ同新聞テーマを組み込むアイデアを明らかにします。ちょうど4ヶ月前の「茜刺財団新聞のテーマをSCP-JPサイト上へアップロード」するという提案が具体化した物です。条件などの都合を鑑み、カスタムテーマとしての申請ではなくハブ改定で間に合わせることを決めました。編集委員全員の了解を得て8月3日にハブと共有ページが更新され、35号以降ハブをinlcudeする形に置き換わっています。
『茜刺財団新聞 36号 令和3年 8月』には久しぶりの一般メンバーによる新規持ち込み企画が掲載されています。renerd氏とFeS_ryuukatetu氏によって作成された「茜刺クロスワードパズル!」で、直近のサイト内イベントや新規記事を多くネタとして作成されたクロスワードパズルでした。karkaroff氏の「財団世界 隠蔽事件記録」や「佐藤事務員の政策レポート」と共に掲載されています。
aisurakuto氏はこれをきっかけとして、1月21日に表明していた寄稿を募集するスレッドの設置へ本格的に動き始めました。10月9日には「@財団新聞寄稿メンバー」ロールを作成してNanigashi Sato、karkaroff、renerd、FeS_ryuukatetuの各氏へ付与。同日中にSCP-JPへ茜刺財団新聞寄稿スレッドを建てています。今のところこのスレッドから寄稿を行ったメンバーは存在しませんが、単発でも連載でもどしどし連絡頂ければと思っています。
10月には2021年秋のコントリビューター募集が行われましたが、新聞編集委員は特に募集されませんでした。aisurakuto氏は当初データ集計や本文に関して人員を募集することを検討していました。多くがMisharyに属人化しており、そこが崩壊する可能性を考慮していたためです。ukwhatn氏やbeing241氏のようなテクニカルスタッフは、茜刺財団新聞の集計は「自動化も可能ではあるが現状担当人員が存在する為優先度が低く行われていない」「自動化の用意はほとんど出来ているため、必要なら出せる」旨見解を述べました。Misharyも自ら著者ページを用いて編集用のListPage Moduleを組んでいた為、しばしばミスはあるもののコスト自体は見た目に比べて低く、本文等に手を回す余裕もあるとの見解を述べています。これらを受けてaisurakuto氏は新規募集は行わないことを決定しました。
『茜刺財団新聞 38号 令和3年 10月』には『SCP-JP年次調査2021報告』が掲載されました。SCP-ENで2014年から毎年行われている『Community Survey Results』を参考に、2021年の8月1日から9月5日までの1月余に渡ってサイト内外に向けて行われたSCP-JP初の調査アンケートです。文字数が巨大だったため、38号の子ページとして投稿されています。
また同号から、Misharyの提案によって「去年の今は」に掲載の範囲が更に拡大し、ハブなども掲載対象とするようになりました。
更に、「今月の強化月間」の担当がNanigashi Sato氏からaisurakuto氏へ移管され、これ以降紙面への記載は新聞編集委員は担当しています。
2021年10月15日、新たなスタッフチームが正式に発足します。その名は「広報チーム」。SCP財団Wiki内外への情報発信に関わる業務を担当するスタッフ・チームで、TwitterのSCP-JP公式アカウントの管理や茜刺財団新聞編集委員会の統括を行うものです。
広報チームは、Nanigashi Sato氏によって2月に始動した『スタッフ構造改革2021』計画の一環で成立しました。当時Twitterは慣例的に管理者(と一部の渉外スタッフ)によって管理が行われており、即応性などの観点から問題を抱えていました。その為Twitterの管理を専任のスタッフへ移管することで管理者の負担を減らしつつ、公式アカウントの機能を拡張することが期待されていました。また新聞編集委員の代表者が広報チームのメンバーを務めることで、新聞の発行後すぐに広報アカウントからツイートを行うことが出来るとも期待されていました。広報チームは一先ず管理者全名と新聞主筆のaisurakuto氏、そしてseafield13氏をチームメンバーリストに加えて暫定的に発足しましたが、実稼働はしていませんでした。
10月7日、Nanigashi Sato氏はSCP-JP運営チャットに「公式チーム稼働」のスレッドを建てます。彼は広報チーム設置の目的を確認した上で、aisurakuto・seafield13両名以外のチーム退任と新規兼任・専任スタッフの任用を提言しました。管理者・モデレーターの賛意を得て管理者は広報チームを離脱し、立候補したukwhatn氏、Mishary、Dr_Kudo氏と発案者であるNanigashi Sato氏の4名が新たに広報チームに参入しました。広報チームのリーダーには渉外スタッフのDr_Kudo氏が就任しました。こうして、広報チームと、その下での財団新聞編集委員会がスタートしました。
その後Nanigashi Sato氏の意見もあって、aisurakuto氏により新聞刊行後のトップ掲載と広報チームへのSNS告知依頼や公式Discordサーバーでの宣伝という手順がマニュアルに追記され、次第に定着していきます。
10月から11月にかけて、モデレーター&コントリビューター募集2021' 秋が行われました。財団新聞編集委員も1名を募集し、meshiochislash氏が任用されました。一先ずはニュースのネタ出しや執筆を行う事となります。
12月6-7日、#新聞編集委員チャンネルでNanigashi Sato氏は7つの改革提案を示します。
- 高評価記事の順番を総合、SCP、GoIフォーマット、Tale、アートワーク、Joke、翻訳の順に改める
- 新聞の締切日・発行日を規定し、それに沿って編集を行う(3日締め切り、5日発行)
- ナンバリングを発行月と同じものとする4。そのために12・1月号を合併号とする
- 新規タグ登録時のサイド広告掲載対象をキャラクターなどにも拡大する。
- メイン記事部分のコンテンツを拡充する
- Rateモジュールをクレジットのみのモジュールに変更する
- 過去にタスクとして登録されている、過去新聞の著者調査と(共著の場合)アトリビューション・メタデータへの追記を行う
1~4の各号はそのまま採用されました。6はクレジットのみのモジュールではなく、クレジット付き評価モジュールが採用されることとなりました。7も賛意を集めましたが、現在まで実施されていません。
5はニュース担当委員を中心に協議が進められました。トピックの数や質、需要など懸念点も数多く上がり、ニュースや企画を増量する方針を大まかにとる動きとなりました。
またこれに際して、茜刺財団新聞ニュース募集スレッドが設置されました。寄稿スレッドもより適切なカテゴリに移動されました。財団新聞は慢性的にニューストピック不足に悩まされているので、何かアイデアなどあれば是非書き込んで頂きたいです。
茜刺財団新聞 40号 令和3→4年 年末年始合併は、2022年1月5日に投稿されました。
「カノン「スシブレード」100記事突破!」や「年末年始フォーラム特集」のような従来あまり見られなかったような記事に加え、Misharyによる「回顧展望 2021→2022」も掲載されました。また新たな寄稿としてSOYA-001氏による「咬冴隊員のあいさつ回り」の連載が開始し、数年ぶりに4コマが復活しました。
なお、合併号にも関わらずMisharyが「去年の今は」を2か月分掲載するのをすっかり忘れていたため、その後1年余りに渡って「去年の今は」は頁名月の前月のものが掲載されることになりました。
茜刺財団新聞テーマはクレジット付き評価モジュールに対応していなかった為、Misharyによってテーマが更新されました。
2月に入って、茜刺財団新聞は他支部のニュースとも接触することとなります。「SCP International Press Agency」(IPA)は各支部のニュース・広報担当者が参加するdiscordサーバーです。being241氏がその存在を#新聞編集委員で共有したことで、まずはグローバルスタッフであるMisharyが参加しました。他の支部のメンバーも複数参加しているようであったため、Misharyは許可を得てその他の編集委員をIPAサーバーへ招待し、全委員が参加しているようになりました。次の『茜刺財団新聞 42号 令和4年 3月』からSCP-JPもIPAの#newsチャンネルへ茜刺財団新聞発行の報せを流すようになります。#newsチャンネルへの書き込みはこれを「購読」しているINTや諸支部のDiscordサーバー内のチャンネルへ送信されるため、INTや各支部へ茜刺財団新聞発行のお知らせが伝えられることとなりました。SCP-JPも、SCP-JP公式チャットANNOUNCEMENTSカテゴリ内の#他支部アナウンス購読チャンネルにて、2022年の7月から購読を開始しています。
なおIPAサーバーにて他支部メンバーより茜刺財団新聞を英訳する予定がないかとの質問が為されましたが、現状コストなどを鑑み実行には移されていません。ただし、『43号 令和4年4月』から、IPA #newsへの刊行告知の際、当該号のニューストピックやコンテンツなどについても概要を箇条書き形式で併載するようになっています。
2月28日、Nanigashi Sato氏は茜刺財団新聞下書き編集の場所をサンドボックスⅢ共有ページから、財団日本支部理事会(通称:ぬばたま)上のページへ変更することを提案しました。過去リビジョンの参照を用意にすることが主たる目的です。aisurakuto氏がMisharyに下書きハブと下書きページの作成を依頼しますが、Misharyは次月(4月号)からが良いのではないかとの見解を示します。aisurakuto氏はMisharyの意見を採用し、もうしばらく共有ページでの下書きが編集が続くこととなります。
3月6日、aisurakuto氏は#staff-updateにて4月6日一杯でスタッフ・コントリビューターから退任するとの意思を表明しました。そのため、同氏は『茜刺財団新聞 43号 令和4年 4月』をもって新聞編集委員の座から退くこととなります。
元々4月でSCP財団での活動に区切りをつけ、徐々にオリジナルに推移していく予定だったので、全部清算したのもその一環でした。生活環境の変化と、自分の方向性がサイトと合わなくなってきたことが理由です(バンドか?)。物語系SCPやカノン-JP用として練っていた話を現在さらに練っています。
辞めたときは「これで大丈夫」と「重荷が一個外れた」が混じった感じでした。自分がいなくなっても上手く回るシステムは作れただろ、と思っていたので。 - aisurakuto
茜刺財団新聞主筆の後任はaisurakuto氏の指名を受けてMisharyが拝命しました。手続きを踏んだうえで正式に主筆となったのは、4月17日のことでした。その間に、aisurakuto氏によってノウハウの継承が行われました。aisurakuto氏は退任前にマニュアルの更新も行っており、それを引き継いだMisharyも更に改定を加えました。
なお4月号から、Misharyのアイデアによってニュースは文末にその著者名が記される事となりました。即ち、全てのニュースが基本的に記名記事となりました。
Mishary期 (2022年4月~2023年3月)
aisurakuto氏の主筆退任により、従来同氏が担当していた部分の内、サイド広告と強化月間はMisharyが、定例会予告は当時チャットオペレーターであったmeshiochislash氏が引き継ぎました。またニュースは元々共に担当していたMishary・meshiochislash両名がそのまま担当を継続することとしました。
その裏でMisharyは、主筆就任以前から担当していた、下書きページの財団日本支部理事会への移行も進めます。財団日本支部理事会上のページを操作できるのは同サイトのメンバーに限られるため、非スタッフの編集委員が直接下書きへの反映や編集を行えないという問題に突き当たっていました。当時の財団新聞編集委員の内、Mishary、meshiochislash、そしてKuronohanahanaの3名はSCP財団モデレーターでしたが、最も古くから編集委員を務めているmC shrimp氏は一般メンバーだったからです。しかしseafield13氏が本来コントリビューターも任用と共にサイトへの招待を行う運用が行われていたことを明らかにし、この失伝していた運用を復活させることで事態は一気に進展します。mC shrimp氏は4月27日に財団新聞編集委員へ参加しました。
財団日本支部理事会での最終稿作成は、『茜刺財団新聞 45号 令和4年 6月』の下書きから行われました。寄稿については、各寄稿者が各自のサンドボックスⅢページに下書きを作成し、それを編集委員がぬばたまへ反映する形に変更されています。6月の物は試験的な導入でしたが、大きな問題も生じなかったことからそのままぬばたまでの編集が定着しました。下書きハブも作成されています。
『45号 令和4年 6月』には、新たな寄稿としてk-cal氏らによる対談「それで、貴方はクリシェなセリフを書きますか」も掲載されました。当初k-cal氏はサンドボックスへの掲載に留めるつもりでしたが、対談参加者で新聞編集委員であるmeshiochislash氏の意見を受けて新聞への寄稿へ切り替えました。その後も『47号 令和4年 8月』掲載のyzkrt氏らによる「批評が怖い人へのクリニカルパス」、今号掲載のRuka_Naruse氏らによる「長編なぜ書くなぜ書ける」など、度々メンバー有志による対談企画が実行・掲載されています。
『茜刺財団新聞 46号 令和4年 7月』、四コマ漫画である「咬冴隊員のあいさつ回り」の連載が終了しました。6月号は休載していましたが、SOYA-001氏が個人活動やSCP-3000-JPコンテストに向けた執筆に本腰を入れたいとのことで、一旦連載を終了することが決定されました。
一方『茜刺財団新聞 48号 令和4年 9月』から新たな寄稿企画として開始したのが、「SCP財団問答部門からの挑戦状!」です。Fireflyer氏ら有志メンバーにより構成される「SCP財団問答部門」によって作成された、SCPに関係するクイズを提供するという企画で、現在も続いています。
有志メンバーによる寄稿だけでなく、新聞編集委員の側からも新たな紙面の開拓が試みられています。
スタッフ・コントリビューター募集の実施やそれによる任用もしくはスタッフの退任は、それまでもニュースのトピックとなっていました。『45号 令和4年 6月』~『47号 令和4年 8月』までは複数のスタッフ・コントリ動向を「スタッフ更新」としてまとめていましたが、『48号 令和4年 9月』からは、新聞最下部に「人事」として簡潔に纏めて掲載されることとなりました。Mishary担当のこのコーナーは10月から「人事報」と改名され、細かな変更を加えられながら現在に至っています。
9月13日、「モデレーター&コントリビューター募集2022' 夏」でrenerd氏が新聞編集委員に加入しました。これに際して新聞編集委員のタスク再割り当てが行われています。MisharyとKuronohanahana氏が分担していた最多翻訳者はKuronohanahana氏に一本化され、強化月間」と去年の今は、Misharyから新規任用されたrenerd氏に移管されました。
『茜刺財団新聞 49号 令和4年 10月』の投稿は、波乱を含んだものとなりました。投稿日である5日の夕方から夜にかけて、普段投稿を担当していたMisharyの連絡が取れなくなったためです。日付をまたいだ後緊急でmeshiochislash氏が投稿を担当することとなり、なんとか無事投稿されました。要因はMisharyが夕方帰宅後すぐに寝落ち、早朝3時頃まで熟睡していたという不始末によるものでした。万が一の時に備えてバックアップ可能な体制を事前に備えておかなければならないという反省があります。
この月から、「国際情勢」が掲載されるようになっています。SCP-JP以外の諸支部での大きな動きを纏めたもので、主にコンテストやイベントが掲載対象となっています。担当はグローバルスタッフを兼務していることもあって発案者のMisharyによって行われています。
茜刺財団新聞に目次がついたのもこの号からです。構文を適宜用い、必要十分な目次となるよう工夫が行われています。
また、昨年に引き続き9月1日から15日まで実施された「SCP-JP年次調査2022」の結果を報告する、『SCP-JP年次調査2022報告』が増補ページとして同時投稿されました。
これに先立つ9月18日、同調査で「低品質翻訳記事を最多翻訳にカウントする状態を是正してほしい」という意見が寄せられていたことを受けNanigashi Sato氏は改善の要望を出していました。主筆であるMisharyは「最多投稿や最多翻訳については、機械的な区別以上の恣意的な選別を行うことはしない」「この問題については、むしろ(Mishary自身も所属する)グローバルチームの低品質翻訳への対応をより高速化する努力を行う必要がある」として直接的な介入の方針を否定しました。これは、コントリビューター側の独断で特定の記事が低品質であるか否かを判断するというのは難しく、また回避したいという思惑によります。これに対してグローバルチームのリーダーで管理者のRed_Selppa氏が「現状のチームの対応能力では、低品質翻訳の大量に十分対処出来ない可能性がある」とし、「個々人の翻訳能力が短期間で極端に上下する可能性は低いため、当該月投稿の翻訳が低品質翻訳を行われた場合、当該翻訳者は当該月の最多翻訳者受賞資格を失う(ただし掲載後の遡及適用は行わない)」ような制度を設置することを提案しました。この制度であれば低品質翻訳の基準が編集委員ではなくスタッフに依拠し、懸念事項が解決できると考えたMisharyはRed_Selppa氏の提案を採用し、次月からこのルールが採用されることとなりました。今後より適切なものとしていくことを検討しています。
10月には「茜刺財団新聞 管理用ツール」の更新がMisharyによって行われました。ツールの出力を新聞掲載のフォーマットに合致させるもので、新聞作成の効率化が進みました。
『茜刺財団新聞 50号 令和4年 11月』は、記念すべき第50号にあたります。Tark_IOL氏に作成・提供頂いた祝・50号バナーと共に、節目を祝いました。同号から、サイド広告の担当者がMisharyからmeshiochislash氏に変わっています。
数年ぶりにコラム「黝月闞吼」も復活しています。元々Misharyはいつかこのコーナーを復活させたいという思いがありました。50号という節目とSCP-JP上の記事数が2万(残存のみ)を突破したという情報を得て、これ幸いと追加しました。翌51号 令和4年 12月にも「増加するサイトメンバー」と題して、同時サイト登録者数が10000アカウントを突破したことからサイトメンバーをテーマに論述しています。しかし早くもネタ切れなのか、それ以降は再び断絶してしまっています。
12月ごろから、新聞の投稿は5日よりも遅れることが常態化してしまい、茜刺財団新聞を愛読する人々にご迷惑をおかけすることとなります。
2023年最初の『52号 令和5年 3月』から、URL規則を変更しています。それまで1~9月はページパスが"news-20XX-X"のようになっていましたが、同号以降は"news-20XX-0X"のように変更されています。これは10~12月と合わせた場合のパス名の並び順を考慮したものです。
『53号 令和5年 2月』からイベント情報が掲載されました。Nanigashi Sato氏の提言を切欠とするもので、Mishary自身元々2021年からイベントについても予定表を掲載することでメンバーの創作等の援けとしたいという思いがあった5ため賛同し、自ら担当しました。
また同号から、注目記事に調整が加えられました。並び順がSGT(SCP、GoIF、Tale)の順に変更されたのに加え、トップページと同様の本文抜粋/紹介文が付記されることとなりました。
茜刺財団新聞第1号は2018年3月19日に発行されました。その為、『54号 令和5年 3月』は丁度5周年目の茜刺財団新聞だと言えます。
この機会に、と『茜刺財団新聞 40号 令和3→4年 年末年始合併』で行われていなかった「去年の今は」の掲載調整が行われました。今月は2022年2月と3月の上位記事が掲載され、次号以降は発行月の丁度1年前の上位記事が掲載されるようになる見込みです。
世界の「月報」と茜刺財団新聞の未来
これまで茜刺財団新聞の歴史を見てきましたが、ニュースがあるのはSCP-JPだけではありません。世界各支部の定期報道・告知プロジェクトは、以下のようなものがあります。
EN: SCP Foundation News - The Official SCPN Monthly
RU: Новости сайта
KO: 이달의 소식 / SCP 뉴스 - 신속, 정확, 신뢰
일요 정기 이슈트래커
FR: Gazette d'Aleph
JP: 茜刺財団新聞
DE: FOUNDATION KURIER
UA: новини
ZH: SCP基金會週刊 / SCP基金會月刊
VN: Tin Báo Tổ Chức SCP - Tuần Báo SCP-VN Chính Thức彼らとIPAなどを通じてより密に連携を獲りつつ、ニュースを伝えて良ければと思います。余裕があればニュースの双方向翻訳等も進めていきたいですが、実現はまだハードルが高そうです。
茜刺財団新聞自体も、まだまだ課題が多く残っています。テーマやレイアウトの修正、寄稿やニュースの維持・拡大と言った新聞の内容的な側面だけでなく、タスクの分配や自動化の促進、バックアップや後進育成、発行日の安定化など編集運営の面からも今後改善を進めていきたいと考えています。
サイトメンバーとスタッフ、サイトメンバーとサイトメンバー、SCP-JPとその外を繋ぐ架け橋として、初心に戻ってより明快で楽しみな紙面づくりを心がけていきたいと考えています。そのためにも、年次調査や独自の機会に調査など行うかもしれません。また、広報チーム傘下の組織・企画としても、もう少し取り計らえればなとも思っています。
10周年、あるいはその未来というのはまだまだ夢想に近いですが、一先ずは6周年とその先に向けて努力してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
最後に「5周年を迎えた茜刺財団新聞についてなにかコメントがあればお願いします」に対する主筆たちのコメントを掲載して、本稿を終えたいと思います。非常に長い記事となりましたが、読んでいただき誠にありがとうございました。
メンバーとメンバー
続いてよかった
客観的に見ても、サイトの流れを知るために便利な記事だと思う
今後も続けばいいし、改造をどんどんするとよかろう思う - Nanimono Demonai
プロジェクトの発足から気付けば既に5年を迎えていたようで、思えばあっという間だなあと感じます。最初にMisharyさんからその報を聞いたとき、「もう5年経ったの!?」となりました。
スタッフと編集委員を退いてからはSCP-JPを離れておりまして、この機会に離脱期間のバックナンバーに目を通したのですが、ざっくりとその間のWikiの流れを掴むことができ、これはプロジェクト開始当初に想定していた目的を果たしているようで、非常に喜ばしいことだと思いました。ここまで携わってくださった方々には、この場をお借りして心より感謝を申し上げます。そして、これからもWikiの歩みとともに歴史を紡いでいくことを、切に願っています。 - kotarou611
メンバーはこの紙面をガンガン利用してください。基本的に記事が足りないことの方が多いのと、それなりの数のユーザーが読むページです。現編集委員は史跡を作っている気分で作業してもらえればなと思います。 - aisurakuto
今年の夏でSCP財団Wiki 日本語版は10周年を迎えますが、茜刺財団新聞はその半分以上に渡って存続してきたということになります。節目の機会にこのような立場にあって、またこのような機会を設けることができたことを非情に嬉しく思います。
茜刺財団新聞の歴史を綴るという試みは想定以上に困難なものであり、また筆の至らないところも多数あるかとは思いますが、その分厚みを持ったものとなったのではないかと考えております。
元主筆のお三方、及びその他スタッフや識者の皆さま方、突然のわがまま・質問に答えていただき本当にありがとうございます。
改めて歴史を振り返ってみると、先達の偉大さと自分の無法さに恥じ入る限りです。今月号の投稿も突如遅らせて申し訳ないです。歴史に学んでいこうと思います。
今後とも茜刺財団新聞を、どうぞよろしくお願いいたします。寄稿やニューストピックもあれば、気軽にDMやスレッドで仰ってください。 - Mishary
以下に、今回の歴史編纂にあたって行った過去の主筆のお三方との質問回答を、後事の参考のため掲載させていただきます。快く回答及び掲載の許可を出していただきました元主筆の方々に御礼申し上げます。
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(上はライセンスなどについてなので省略)
(テーマについての回答の抜粋)
CSSはどんどん改造していってほしい。縦書き実現してくれ
CSSをGitHubで管理するとかしたかったんだよな4. 茜刺財団新聞を創刊した経緯などあれば教えてください
WIKIの変化が速くなっている時期で、知らせたい内容をまとめて一気に見れる箇所が欲しかったから
SCP-ENで定期的にニュースをやっていたから
カクタスラジオに対抗した気がする
5. 1号は非公式のものとして作成された訳ですが、この創刊号はどのように作成されたのでしょうか?
CSSについては死のコンテストで白黒テーマがあったので、それを元に改造して作った
画像はblackey氏から寄稿をいただいた創刊号は寄稿してもらったんだったっけ? ある程度自分で書いた気がする
6. 2018年5月に新聞編集委員chが作成され、同月の2号から新聞はスタッフとしての業務となりました。これにはどういう経緯がありましたか?また、それによって変化したことなどあれば教えてください
家康が家督をすぐに譲ったのと同じ理由で、権限の移譲を素早くしたかったから
7の質問の答えは「はい」だから、特に変化したことはなかった
7. 最初期の茜刺財団新聞では、あまり職掌が固定されておらず、スタッフ有志がその時担当できるものを担当・執筆する形式を取っていたように思われます。これは正しいですか?
はい
8. 初期の茜刺財団新聞に掲載されていた「黝月闞吼」ですが、どのように寄稿者や内容を募集・決定していましたか?
ディスコードで目についた人に
9. 第3号 2018年6月号からハブ投稿後の9月号までは、記事や画像を作成するよりも専ら総監督的な立場に廻られています。これは意図されていたのでしょうか?またこの時期の役職は(投稿を行っていたkotarouさんと対比して)何と呼称すれば宜しいでしょうか?
意図的
役職は何にもない
10. 2018年の10月号以降は、完成稿の可を出す役割からも退かれています。このあたりの経緯が分かれば教えていただきたいです
自然に。当初から権限移譲する方向であったから
新聞委員会が管理者と独立して機能していると思われただろうと思われたタイミングで
11. 茜刺財団新聞を製作していくなにか記憶に残っているエピソードなどあれば教えてください
CSS作るの楽しかったぜ
寄稿者集めにくかったなあ
権限委譲できてよかった
12. 5周年を迎えた茜刺財団新聞についてなにかコメントがあればお願いします
続いてよかった
客観的に見ても、サイトの流れを知るために便利な記事だと思う
今後も続けばいいし、改造をどんどんするとよかろう思う
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1. 18年(3月にNanimonoさんによって1号が作成されたあと、)5月にkotarouさんが新聞を作成したい旨Nanimonoさんへ持ちかけられ、スタッフとしての新聞作成のプロジェクトが開始されました。この提案をされた経緯などあれば教えてください。
最初のきっかけは、その1年前に投稿されたSCP-JPの略史を読んだことだったと思います。これは16年までのSCP-JPコミュニティの動きを記したエッセイなのですが、個人的にはとても意義のあるものだと感じていました。
というのも、この頃はサイトの出来事をまとめて、後から情勢を追いやすくするような記事が無かったからです。流れを掴もうとすると、それこそ「最近作成された記事」やフォーラムの「最近の投稿」に張り付くくらいしかなかったんですよね。リアルタイムで追っているうちはまだしも、時間が経ってから遡ろうとすると非常に大変だったのを覚えています。
そんな折にNanimonoさんによって新聞1号が投稿され、「これを待ってた」と。そのまま同氏が投稿を続けられると思っていました。しかし、後に新聞編集者の募集があり、Nanimonoさんはあくまでサポートに徹するとのことでした。こういったニュースの執筆や編集の経験は無かったものの、万が一誰も名乗り出なければ企画が流れるかもしれないと、立候補した次第です。2. 5月中旬以降kotarouさん主導で新聞掲載内容の選定や執筆が進められました。基本的な形式は1号を参考にしつつも、「去年の今は」や「定例会予告」など今も続くコーナーが新設され、また毎月発行を基本とする方針が立ったのもこの頃です。これらはどのように進められましたか?
3. 2号は委員構造の基盤形成含め、約2週間という短期間で発行まで至りました。大変だったことや、発行しての感想などあれば教えてください。(2と被るかもしれません)内容については、発案者のNanimonoさんが構想していたもの(定例会予告)や、私が提案したものをサイトスタッフの方々と相談して決めていきました。もともとNanimonoさんが月刊でやることを予定されていたため、月1での発行となりました。
ここまで早く進められたのは、やはり1号の時点で基本的なレイアウトが形作られていたというのが大きいと思います。もちろん、ご寄稿いただいた方々のご尽力や、Nanimonoさんとスタッフのサポートがあったからこそですが。
ニュース記事以外のコーナーをどうするかというところで、1号で既にあった高評価記事コーナーを発展させる形で、記事やメンバーを表彰する場を増やそうと考えました。メンバーの方々のモチベーションになり、少しでもサイトが活発になればと思ったんです。他にも、バックナンバーで後からサイトの動きを追う際、過去にどういった記事が好評だったのか容易に把握できるようにする意図もありました。後には、最多投稿者・翻訳者や著者ページ作成者まで掲載対象を拡大しました。
また、その一環として、過去の作品を発掘する注目記事のように、ちょうど1年前のその月に好評だった記事にもう一度スポットを当てる企画を開始しました。それが「去年の今は」です。まだ読まれてない方には気になった記事に触れる機会に、既に読まれている方には「あったあった」とあの頃を振り返るなり「もう1年経ったの!?」となっていただければいいなと。記事の一部をキャッチコピーとして引用するのは注目記事に倣ったものなのですが、あれ選ぶの結構楽しかったんですよね。4. その後約1年間はほぼkotarouさん1人と、数人の寄稿者によって新聞が維持されていました。ハブやトップニュースのテンプレートもこのころ出来ています。この時代について何か記憶していることなどあれば教えてください。(無ければ構いません)
企画を続けようとひたすら駆け抜けた覚えしかありません。間違いなくやりがいはありましたが、楽だったと言えば嘘になります。
発行を重ねるうちに溜まってきたバックナンバーをまとめるのと、新聞自体のスタンスを明確にするために、ハブページを作ったりもしました。リソースの関係で内容は必要最低限に留めましたが、もうちょっと何かあってもよかったなと思います。
正直なところ、この時期は毎月の新聞作業で手一杯で、コンテンツの拡充や新たな寄稿の呼びかけまで手が回らなかったというのが実情でした。5. 19年6月号と8-11月号が休刊となりました。11月から12月にかけて新聞編集委員の募集(aisurakuto, H0H0, mC shrimp, suzuの4名が任用)やマニュアル作成を行われています。この改革の背景にはどういう事情や考えがあったのでしょうか?
端的に言うと、キャパオーバーしたためです。スタッフ業務と並行して新聞全体の作業量を毎月1人でこなすのは流石に無理がありました。
とはいえ、企画自体を潰すわけにはいかないので、今のような分業制に移行するべく、コントリビューターとしての編集委員の募集や、ここまで蓄積してきたノウハウを活かしたマニュアルの作成を行いました。不甲斐ないことに、他のスタッフの方に指摘されるまで、分業制にする考えは頭にありませんでした。プロジェクト立ち上げ当時に編集メンバーに立候補される方が他にいらっしゃらなかったので、募集しても集まらないだろうと。1人で回すしかないという固定観念があったのだと思います。
今思えば、それは単に実績がまだ無かったからで、19年に入った時点で十分土台作りはできていましたし、もっと早く、それこそ1周年を迎えたあたりにでもこうすべきだったと深く反省しています。6. 財団新聞編集委員の発足以降、再び安定した新聞発行が続きました。この期間について何か記憶に残っていることなどあれば教えてください。
分業制にしたことで1人あたりへの負担はかなり減りました。作業をマニュアル化したり徐々に自分の裁量を減らしていったりと、なるべくいつ誰が交代しても存続できるように心がけていたつもりです。
今となっては、このプロジェクトはそもそも1人で回すようなものではなかったのだと思っています。編集委員の方が来てくださって本当に助かりました。1人で続けていたら企画自体無くなっていたかもしれないと考えると、つくづく属人化はよくないと痛感しました。7. 2回目の委員募集が行われた(私MisharyとKuronohanahana氏の2名が任用)後の20年7月、新聞編集委員を含むスタッフワークからの退任を発表されました。環境の変化などに伴うスタッフワークへ注げるリソースの縮小や、モチベーションの減退などがあったのでしょうか?
そんなところです。私生活や心境の変化により、この頃にはSCPに割ける余力もあまり無くなってきていました。
ズルズル続けて非アクティブになるよりも、このあたりでスパッと身を引こうと決め、業務が比較的落ち着いた頃に辞任を表明いたしました。既に分業制で新聞を回せるようになっていたので、もう自分が退いても問題ないだろうと、次代主筆をaisurakutoさんにお任せしました。8. 茜刺財団新聞発行に関わった約2年余りを総括して、何か感想などあれば教えてください。
Wikiの動向を追いかけ、それを新聞という形で後世に残すというのは、大変ながらも(やっていた本人が言うのもなんですが)やはりとても意義深い活動であり、得難い経験だったと感じています。
この2年と少しの間、Nanimonoさんが立ち上げられた企画を引き継ぎ、基盤を整えてきました。一度は頓挫しかけましたが、いろいろな方々のご協力のおかげで、なんとか次に繋ぐことができてよかったです10. 茜刺財団新聞について、これをやりたかった、やるといいのではないかということがありましたら、教えてください。
特集記事やコラム等の読み物はもっと充実させられていたらと思っています。その点で言えば、「佐藤事務員の政策レポート」はかなり良い企画だと思いました。今後も続けてほしいです。
リソースや人材の問題を度外視して願望を言うのであれば、4コマ連載は継続的にやりたかったですね……
11. 5周年を迎えた茜刺財団新聞についてなにかコメントがあればお願いします
プロジェクトの発足から気付けば既に5年を迎えていたようで、思えばあっという間だなあと感じます。最初にMisharyさんからその報を聞いたとき、「もう5年経ったの!?」となりました。
スタッフと編集委員を退いてからはSCP-JPを離れておりまして、この機会に離脱期間のバックナンバーに目を通したのですが、ざっくりとその間のWikiの流れを掴むことができ、これはプロジェクト開始当初に想定していた目的を果たしているようで、非常に喜ばしいことだと思いました。ここまで携わってくださった方々には、この場をお借りして心より感謝を申し上げます。そして、これからもWikiの歩みとともに歴史を紡いでいくことを、切に願っています。
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1. 財団新聞への関わりは、2018年の6月号掲載の今月の1枚から参加されたのが最初かと思います。この時のことについて何か記憶していることなどありますか?
懐かしいものを掘り出してきましたね! 自分の人事ファイル設定がカメラマンだったので、これに沿って写真作品を新聞で出してもいいのでは?と思い撮影・投稿しました。にぎやかしくらいの気持ちでした。「歌う雨音」イメージで、「ビルダーベア」と「ねこ」のてるてる坊主を作った覚えがあります。続けようとうっすら考えていましたが、翌月に写真がないあたりやる気が続かなかったようです。
2. 2019年12月の編集委員募集で編集委員に立候補され、任用されました。動機など覚えていらっしゃいますか?
このころ新聞はkotarou611さんのワンオペですべて制作されており、発行が滞っていた時期でもありました。そのためスタッフ側で組織化する流れになったのですが、ネックになる本文執筆の担当者が現れるか、外から見ていて若干不安でした。なので半ば使命感からの立候補でした。
3. 12月号からニュース記事/執筆、サイド広告、定例会予告を担当されるようになりました。これは編集委員を退任されるまでの約2年半の間続きました。これらの担当について何か思い出などあれば教えてください。
ニュース記事/執筆: 正直みんな気にしているのは高評価記事の集計(ランキング)で、こっちはあまりメインコンテンツではないよな、という意識はありました。なのでそういうものを見に来た層に、イベント広報・制度紹介・サイトの動きを伝えるというモチベーションで書いていました。あとニュースは新規層やカムバック勢が「いつその改革やコンテストがあったか、新聞を見れば一発で分かるように」を基準に選んでいました。割と後々のことを考えていたように思います。
サイド広告: ほんっとーに趣味の枠でした。もともと小ネタの枠なので、好きなようにやらせてもらいました。季節にあったマイナー記事や企業っぽいSCPへのリンクを載せてました。新聞の機能は紹介がメインだと思っているので、目に留まる人が一人でも増えたら意義があると思っています。
定例会予告: チャットスタッフを兼任していたので、まぁ自分が聞きにいくのが便利だよなと思ってやっていました。すっぽかして予告が全部「未定」になっている月がどこかにあると思います。4. 議論ログや投稿を見ると、aisurakutoさんは次第に新聞委員で中心的な位置を占めるようになったかと思います。20年7月27日にkotarou611氏が辞任を発表され、後任として立候補されました。辞任された8月10日の翌日である8/11に主筆に就任されました。主筆に立候補された動機や此の時の思いなどあればお聞きしたいです。
「やるしかないでしょ」くらいの動機でした。そのころはkotarou611さんの活動自体が鈍っており、流れとして自分が後任を引き受けるのが自然だろうなと考えていました。
5. 主筆への就任以来、下書きページのSB3共有ページ移行(20年8月)、企画募集などのスレッド設立(21年1月~3月)、テーマのハブinclude化(~21年7月)、去年の今はへの翻訳追加(21年7月)や非GST追加(21月11月)、持ち込み企画の再始動、締め切り・発行日の策定(21年12月)、年末年始合併号による発行月ズレの修正(22年1月)など多数の改革・改善を行っています。佐藤さんや私を始めとしたスタッフやメンバーの意見を受けつつ様々な変更を行われているわけですが、特に記憶に残っているものなどありますか?
一昨年の改革については佐藤さんから提案があったことが大きかったです。元々危機感はあり、コンテンツとしての訴求力も落ちているだろうなと思ってはいたのですが、広報を大きく動かすならスタッフ側を巻き込んで企画を練る必要があり、私生活や創作との兼ね合いもあってあまり動けませんでした。(元々自分は意欲的なスタッフではありませんでしたし)なので、wikiスタッフである佐藤さんが言い出してきてくれたおかげで、上手く乗っかることができました。サイトメンバーは互いを利用しあって自分の思惑を通していきましょう。
6. これは行く行くやりたかったが出来ずに終わった改革事項などありますか?あるいは、茜刺財団新聞はこれをやるといいのではないかということがありましたら、教えてください。
ありません! 自分の思う最適化や脱属人化は全部やってから退任したつもりです。
みんな自分の仕事をしてて凄いので何も言うことはないですが、私物化しない程度に編集委員が自分の趣味を出す場にしてもいいと思います。Misharyさんであれば、歴史系SCPの小コラムを書くとか。7. 2022年3月にスタッフ・編集委員の退任を表明され、4月号の発行後辞任されました。このとき経緯や感慨などあればお聞かせください。
元々4月でSCP財団での活動に区切りをつけ、徐々にオリジナルに推移していく予定だったので、全部清算したのもその一環でした。生活環境の変化と、自分の方向性がサイトと合わなくなってきたことが理由です(バンドか?)。物語系SCPやカノン-JP用として練っていた話を現在さらに練っています。
辞めたときは「これで大丈夫」と「重荷が一個外れた」が混じった感じでした。自分がいなくなっても上手く回るシステムは作れただろ、と思っていたので。8. 茜刺財団新聞発行に関わった約2年余りを総括して、何か感想などあればお願いします。
文章をまとめるより関連リンクをまとめて時系列順に並べるのが一番しんどかったです!
9. 茜刺財団新聞を製作していくなにか記憶に残っているエピソードなどあれば教えてください
クロスワードパズルを導入した瞬間に一気にサンドボックスが重くなって独りウケていたこと。でもクロスワードはめちゃくちゃ面白いから、また載せてください!
10. 5周年を迎えた茜刺財団新聞についてなにかコメントがあればお願いします
メンバーはこの紙面をガンガン利用してください。基本的に記事が足りないことの方が多いのと、それなりの数のユーザーが読むページです。現編集委員は史跡を作っている気分で作業してもらえればなと思います。
SPECIAL THANKS: Nanimono Demonai, kotarou611, aisurakuto, seafield13, Kuronohanahana, Nanigashi Sato, ukwhatn, meshiochislash… AND YOU!
ジャムコンテスト、決着
駆け抜けた72時間
2/27、72時間ジャムコンテストJP-2023の決戦投票期間が終了、順位が確定した。3/8現在、+1以上の評価を獲得していた投稿作品数は全体で57作。内訳として、テーマA部門29作、テーマB部門13作、テーマC部門15作であった。
入賞作品は以下の通り。
テーマA: 「悪い知らせ」
優勝: please-refer-to by kyougoku08
2位: yamizushi-file-no626-d by tateito
3位: news4pamwac-alchemist by eggplantisnasu
テーマB: 「壊れかけの嵐」
優勝: scp-3844-jp - とっても強くて孤独なドラゴン by stengan774
2位: scp-3595-jp - 台風マン by FattyAcid
3位: repair-department-orientation by Jiraku_Mogana
テーマC: 「時よ止まれ」
優勝: scp-8691-jp-j - 酩酊街経済 by snoj
2位: scp-3010-jp - 時よ止まれ、汝はなんかもうスゲーエロい by Dr_Kasugai
3位: polar-eyes by meshiochislash
またコンテスト閉幕に伴い、主催代表のteruteru_5氏から総評を預かっている。
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テーマ選定に協力してくださった方々、72時間という短い時間の中で参加してくださった著者・読者・批評者の方々、そしてコンテスト運営に協力してくださったイベント運営委員の方々、皆様72時間ジャムコンテストJP-2023お疲れさまでした。
JPでは2019年以来2回目となるジャムコンテストでしたが、今回もかなり盛り上がったように感じています。特に開催前日に行われたテーマ抽選会の盛り上がり様はチャットの様子から分かるように凄まじいものであったと感じています。また、72時間という制約の中で生存した記事が60作を超えていたことも特筆すべき事柄と言えるでしょう。想像以上の盛り上がりに、終始驚かされ続けました。
最後となりましたが、金賞受賞者であるkyougoku08さん、stengan774さん、snojさん。おめでとうございます。また、参加・協力して頂いた皆様、ありがとうございました。
改めまして、皆様の参加と協力に感謝申し上げます。
ユーザーコンポーネントと実績バッジ
SCP-JPに豊かな表現を
1月8日、ユーザーコンポーネントに関するポリシーが改定された。カスタムテーマのconponent版で、ユーザーが作成したinclude用構文・要素を投稿できるようにしたもの。昨年8月に投稿されていた。
既に複数のユーザーコンポーネントが投稿されている。初期は専ら、疑似タグ、チェックボックス(以上R74氏)、レーダーチャート(FeS_ryuukatetu氏)などテクニカルスタッフによるユーザーコンポーネントが投稿されていた。
非スタッフによるユーザーコンポーネントとして初めて投稿されたのが、tsucchii0301氏の実績バッジ2(2月16日投稿)。ポリシー先の改定は、このコンポーネントの投稿許可を巡る議論が切欠となって行われている。
その源流にあるのは「実績バッジ」だ。hal_aki氏が2014年11月29日ごろまでに、SCP-ENのSandbox Iに投稿されていたAchievement Badgesを元に考案した。2017年9月5日、tsucchii0301氏はこれをアートワーク化した『実績バッジ』をSCP-JPへと投稿した。さらにこのアートワークを元に7happy7氏がinclude可能な外部コンポーネントとして2018年11月16日に作成したのが「ぬるぬる動くあなたの実績」である。hal_aki版、tsuchii0301版、7happy7版のいずれも著者ページなどで使用されてきた。評価が+100を突破した記事を指して「テレキル」と呼称するような文化も、この実績バッジから来ている。しかしこの「実績バッジ」は8年前に作成されたものの為、現在のSCP-JPの状況と合致しない部分も増えてきた。例えば2014年当時はGoIフォーマットというカテゴリ自体が存在しなかった為、このカテゴリに関する実績バッジも存在しない。
実績バッジ2は200超の、実績バッジ1より更に洗練されたデザインのバッジを多数備えている。アニメーションが用意されたバッジも多い。ディスプレイやアイテムも含め、多様な表現が可能だ。
これをぬるぬる動く実績バッジのように横へ流れるよう調整した、R74氏のぬるぬる動くあなたの実績2もユーザーコンポーネントとして投稿されている。
今後も多数のユーザーコンポーネントが作成・投稿されたり、活用されたりすることだろう。
国際情勢
SCP-KO: 献血部門 プロジェクト第一期
昨年10月以来、SCP-KOでは韓国における輸血在庫の不足に際して献血を促進するプロジェクトが行われていた。この企画が2月に完了した。
韓国では、献血を行った分の輸血が無料になるシステムが存在する。この時証明として与えられるものが献血証である。要注意団体を冠したチームに分かれ、獲得した献血証の数で競う形式だったが、102枚を集めたAre We Cool Yet?チームが1位となった。
また全ての献血証は集約され、寄付された。SCP-KOとして韓国白血病小児がん協会に献血証215枚(80000ml相当)を寄付し、このことはE2News紙にも掲載された。
SCP財団韓国語支部公式チャンネルにも、今回の企画や成果を紹介する動画が投稿されている。
現在、第二期が開始されている。
SCP-CN: 2023「缺失」設定コンテスト
SCP-CNで、チームコンテストである4月に2023「缺失」設定コンテストが開催されることが発表された。缺失は欠失の意。3~5人のチームを結成し、生、死の終焉、財団のない世界、人ならぬものなどのように、先天的・後天的を問わず何かが失われた(「缺失」した)設定を新規に創造するというもの。SCP-JPで開催されたチームコンテスト2020と同様に、チームの評価の高い記事5件の合計点で順位を争う。
優勝チームには現金600元、qntmの『反ミーム部門は存在しない』シリーズの英語ハードカバー正規本、「ディヴィジョン2 ウォーロード・オブ・ニューヨーク版」1本、「バトルフィールド2020」62本が、準優勝チームには現金400元、『深渊笔记』7、シングルマーダーミステリー『诡寓实录』2セット、OPUSの「地球計画」「魂の架け橋」「星歌の響き」「写心吾山」から任意の2作、「Enter the Gungeon」3本が、3位チームには現金200元、シングルマーダーミステリー『诡寓实录』1セット、「Rain World: Downpour」(本体+DLC)1本が与えられる。また5作品以上を投稿する条件を満たしたチームには、先着10チームにfbbaaa does not match any existing user name氏の作成した自作バッジ・携帯電話ホルダーが送られる。3月30日まで協賛を募集中で、今後更に賞品が増える可能性もある。
チーム登録は4月15日までで、4月15日から4月29日までが投稿期間となる。5月6日に投票が締め切られ、順位が確定する予定。
2月の高評価記事
総合部門
1. 参照してください by kyougoku08
2. SCP-8691-JP-J - 酩酊街経済 by snoj
3. 拝読しました by leaflet
SCP部門
1. SCP-3222-JP - 金玉蹴撃 by iti119
2. SCP-3844-JP - とっても強くて孤独なドラゴン by stengan774
3. SCP-3010-JP - 時よ止まれ、汝はなんかもうスゲーエロい by Dr_Kasugai
Joke部門
1. SCP-8691-JP-J - 酩酊街経済 by snoj
2. 拝読しました by leaflet
3. SCP-831-JP-J - なんでもっと早く by BlueRayi
Tale部門
1. 参照してください by kyougoku08
2. 拝読しました by leaflet
3. ウツボは死んで、腐って朽ちて、朽ちさせて。 by Tutu-sh
GoIフォーマット部門
1. 闇寿司ファイルNo.626-D "お前" by tateito
2. 嫁を人体錬成したら肉体失ったんだけど by eggplantisnasu
3. メモ: ペトリコールで思い出した事 by rokurouru
アートワーク部門
1. ちいさな魔女 by Cocolate
2. ようこそ未来へ ファンアート by naruriyunomugitya does not match any existing user name
人気の翻訳記事
1. 補遺: SCP-173収容プロトコル更新 by fairydoctor / 訳: Tobisiro
2. 2521スタンプ 第一弾 by Kcorena / 訳: buta_otoko
3. 空想科学部門のアートワーク by Olicus / 訳: buta_otoko
※3/1集計
2月の最多投稿者
1. (同率) EianSakashiba
1. (同率) karkaroff
1. (同率) O-92_Mallet
1. (同率) stengan774
1. (同率) Zatto13
※03/06集計
2月の最多翻訳者
1. C-Dives
- SCP-7670 - 眩き光
- SCP-7960 - 自分磨きコアラ
- SCP-6405 - 輝け、輝け私の堕ちた星よ
- SCP-5219 - 全く見知らぬ死体
- SCP-4958 - あなたは愛されてる
- WANs_Image.png
- SCP-7504 - 日の出、日の入り
- SCP-PL-150 - 休暇中
2. walksoldi
3. MAKOdot-
※03/01集計
3月の注目の記事
注目のSCP
- SCP-1918-JP - 11次元上の犬、よって私の矜持が汚され老いに抗う術を求める。 by horuten777
SCP-1918-JPは、現在はゴールデン・レトリバーの姿をした存在です。
注目のGoIF
この“ありがとう水”とはブローカーによる現在の通称であり、原料の精製方法に因み名付けられている。
注目のTale
死なないのが一番じゃないですか。
注目の翻訳SCP
- SCP-ES-156 - 平和の鳥 by morhadow
SCP-ES-156-2個体は“大義のために働いて”おり、“永続的な平和を実現しようとしている”と繰り返し主張します。
注目の翻訳GoIF
- 静かな夜 by Decibelles, TyGently
看守らはとち狂ったウイルスに近い物を作って、そのウイルスが何もかもを"正常"にしようとしてるんだ。正常すぎるくらいに。ーH.
注目の翻訳Tale
- 財団における収容違反後の事後処理の問題に関して by hanqiusheng does not match any existing user name
私がドアをノックしたところ、戸を開けたのはうら若い女性だった。
今月の強化月間
2月~3月: 翻訳強化月間
お題【1000ko】
3月~4月: 執筆強化月間
お題【pending】
1月~2月: 執筆強化月間
お題【ウサギ】
達成者(集計03/01 00:00):
無し
強化月間についての詳細はこちら
2月の著者ページ作成者
- 永遠の読み専による著者ページ by Fireflyer
- sakaponの著者ページ by sakapon
- Witherite ハブ by Witherite
- 湯 by Yukko
去年の今頃は
2022年2月
ビニール傘ならいいかなって、みんな思っていたんです。
コンビニ傘 by miyageubusuna
- 正常な反応 → 心的外傷を理由に水中へ入らない。
- 汚染された反応 → 水中にある死体の確認作業を繰り返す。湖へ戻ろうとする。
馬鹿め。恵方に恵方巻きを向けるのではない。恵方巻きが向いている方向こそが『恵方』なのだ!
闇寿司ファイルNo.824 "恵方巻き" by eggplantisnasu
あなたの寿司は、……いえ、あなたの異常は、誰が保証してくれるのですか?
闇寿司ファイルNo.1001 "かっぱ巻き" by kyougoku08
居久根の木は色々と管理が大変だし、小学生の息子が登ろうとしてケガをするしで、切りたくなったらしい。
居久根の木 by usubaorigeki
2022年3月
『ワロガ』が見えた。
『ワロガ』が襲い来る by usubaorigeki
- どれほど小さな声量であっても、決して喋らないでください。パガニーニ経口薬を入手次第、直ちに服用してください。
偏在 by Lovesicker, translated by tetsusquared and MikuKaneko
大倉・ハドルストン型実体は、SCP-001-JP人口の大半を占める異常ヒト亜種のほぼ全ての個体に寄生し、その異常性を顕在化させない異常性を持ちます。
日辻養の提言 by hitsujikaip
SCP-5443: 巨悪が迫りつつある…
終焉をもたらす邪神? 何体か捕まえたよ TheyCallMeTim, translated by RAY_AFT
僕たちはこう結論づけた。オリバーとダグラスは異世界からやってきたんだ、と。
生き物プロフィール: オリバー! by santou
特別寄稿: SCP財団10周年記念イベントについて
10年前の2013年7月8日、新進気鋭のWikiホスティングサービスであるwikidotに、あるサイトが立ち上がりました。英語圏ではすでにジャンルとしての知名度を確立しつつあったSCP Foundationの日本語版サイト、「SCP財団」です。Dr Devan、CheshireCheeseといった創設者たちから始まった物語は、今年で10年の節目を迎えました。
わたしがSCP財団に参加したのは高校生の頃です。あのときの少年はいまやサラリーマンとなり、周囲を見渡すと同期や先輩というべき人々はほとんどいなくなってしまいました。いまでこそサイト管理者などという大層な肩書でサイトメンバーをやらせていただいていますが、新しい記事を読むときのワクワクとした気持ちは、いまも変わるところはありません。
それにはひとえに、独特な用語や癖のある構文と戦いながら翻訳を続けた有志の方々、果敢に創作へ取り組んできた著者たち、死にゆくサービスを生き長らえさせようと努力してきた技術者や、手探りでコミュニティを運営してきたスタッフ、そしてなによりも、長きにわたってこのサイトを支えてきた読者のみなさんのおかげです。みなさんの誰かがひとりでも欠けてしまえば、今日までのサイトの存続、発展はありませんでした。本当に、ありがとうございます。
さて、そんな節目を迎えたSCP財団日本語版ですが、本年度は10周年を記念したイベントを開催します。サイト内外のみなさんを盛り上げるための挑戦的な企画が目白押しです。以下にいま現在予定されている公式コンテストと特別企画の一部をお見せします。
【10周年記念イベント公式番組】
SCP-JP 10周年イベント委員会
公式コンテスト&キャンペーン:
Round 0: 定期メンテナンス(4月1日予定)
本年度は10周年にふさわしいスペシャルな……メンテナンスがあります。
Round 1: ショートコンテスト(5月初旬〜6月初旬予定)
普段はTaleのみでやっている短編企画を今回は全カテゴリに拡大。さらに、まったく新しい競技ルールを導入した野心的な重賞コンテストです。
Round 2: テーマコンテスト(仮称 "Over the Decade" 夏頃予定)
例年もっとも盛り上がる夏季重賞は、史上最大規模となる全10部門で行われるテーマコンテストを予定しています。
Round 3: チームコンテスト2(秋頃予定)
2020年、さまざまなカノンやGOIを生み出したあのチームコンテストが早くもサイトへ帰ってきます! さらに進化したチームコンをお楽しみに!
Round 4: ジョン&ジェーン・ドゥコンテスト(冬頃予定)
無名──Origin──Identityと続いてきた人物を描くコンテスト(今回は非生物も可)。「ジョン・ドゥ」ではSCPオブジェクト報告書やGOIフォーマットも可となる予定です!
常設企画:
- 翻訳強化月間
- さまざまなジャンルの翻訳を促進してきた本企画。10周年でも引き続き翻訳強化月間を開催します!
(執筆強化月間は本年度から実施を無期限に休止といたします。あしからずご了承ください)
- さまざまなジャンルの翻訳を促進してきた本企画。10周年でも引き続き翻訳強化月間を開催します!
特別企画:
- 10年の歴史を彩った人々へインタビュー
- SCP-JPコミュニティの内外のさまざまな人々にお話を聞き、歴史を振り返るプロジェクトです。
- 新・殿堂入り
- 前回の制定から約5年が経ち、次なるSCP-JPコミュニティの柱となる作品を顕彰すべき時期が近づいています。制度改革の議論が続いており、10周年の間には結論が出るでしょう。
- みんなで作るSCP大百科
- SCP-JPコミュニティで当たり前に使われるさまざまな用語をまとめるべく、みなさんのお力をお借りします。
- SCP-JPの歴史2
- SCP-JPコミュニティがもっとも危機的状況にあった2017年からの出来事を、さまざまな情報源からサイトスタッフの目線でまとめます。
- Overキャンペーン
- 詳細はまだ秘密です
あくまでこれらは予定なので、予告なく変更される可能性があります。イベント委員会での議論は常にオープンなので、Discordのガイドラインをご確認のうえ、ぜひご参加ください。今年のSCP財団は、一年間を通してお祭り騒ぎを続けることになりそうです。みんなで一緒にお祝いしましょう!
文責: seafield13
長編なぜ書くなぜ書ける
3月某日、Ruka_Naruse氏の発案・主導により、複数のサイトメンバーを交えて長編記事の執筆に関連する対談が行われた。対談参加者に許可を得た上でRuka_Naruse氏により書き起こしが行われ、今回の寄稿に至った。この対談が少しでも記事執筆者の助けになることを願う。
またこの機会に過去の同様の対談(「それで、あなたはクリシェなセリフを書きますか」、「批評が怖い人へのクリニカルパス」)を確認してみてもよいかもしれない。
また、文字数の都合上書き起こし本編は折り畳み内に収納している。
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参加者紹介
Ruka_Naruse(以下ナルセ) 🔔
今回の対談の発案者。聞き手に徹するつもりだったがそこそこ話を振られ、割とノリノリで語っていた。最近書いている長編Taleは『Q9ALT』シリーズ。meshiochislash氏(以下メシオチ) 🍚
極夜灯の主。短編エモTaleを主戦場としているが、長編Taleにも触れだしたため更なる高みを目指すべく参加した。また、Twitterでは+50チャレンジを再踏破し、フォロワーたちにまたしても感動を与えた。8
英語が大変苦手で、前述の長編TaleのURLのfuckは投稿当初スペルミスでfackになっていた。Dr_Kudo氏(以下クド) 🍣
スシ、或いはハンバーグ。異聞伝や納涼祭など、キャラクターと舞台装置の両方を立たせる能力に長けた技巧派著者。一見すると頓智気に思えるような設定を一捻り加えた王道に落とし込む術を熟知している。私(Ruka_Naruse)は真北迷牌伝説が一番好きです。islandsmaster氏(以下アイマス) 🏝
言わずと知れた本格派著者。洋画を彷彿とさせる描写と緻密なキャラ造形や世界観の作り込みに魅せられた読者からは島民先生と呼ばれ慕われている。慕情が行き過ぎた読者から『早く灰より続編を出せ』と詰られ囲んで棒で殴られている苦労人でもある。最近書いた長編Taleは猫と白鼬についてのアネクドート。プロットを書かない。2MeterScale氏(以下ニメスケ) 📏
2m級著者。既存のキャラクターに属性を定義する能力に長けており、キャラクターの関係性に造詣が深い読者を沼に引きずり込む怪人と化している。地の文の緻密な描写にも定評があり、攻めたキャラクター設定や舞台装置にえもいわれぬ説得力を持たせている。最近書いている長編Taleは『人妖大戦』シリーズ。対談に10分強遅刻した。<記録開始>
ナルセ: そもそも前提として、長編Taleって素晴らしいモノなんですけど、書く人が少ないじゃないですか。で、なんで少ないかを考えると、やっぱ直感的に書けない所はあると思うんですよ。ですので今回は、この企画を通じて書いたことがない人や、書くことが難しいと感じている人にハウツーを吸収していって貰いたいと同時に、長編Tale書き同士でも得る物があったらいいなと、そういった企画となっております。よろしくお願いします。
ニメスケ: よろしくお願いします。
ナルセ: じゃあまずは実際に『長編が書けない!』と感じてる人がどんな悩みを抱えているのか、アンケートを取った中からピックアップしたものと、それらについて皆さんに予め提出してして頂いた回答を見ながら語って貰おうかなと思います。
削る長編、付け足す長編
質問1: 文が長くなるにつれて、余計なキャラクターや情報が増えてきて冗長になってしまうことが悩みです。無駄を省くコツはありますか?
ナルセ: これは私も書いててよく思うんですが、だんだんと情報が増えて読者を置いてけぼりにしちゃいがちだよな、と感じる所があります。
メシオチ: 余計な情報かどうかは一旦置いておいて、キャラクターや情報って長編をやるなら増やしてきたいというか、書く上で使いたい情報が多いから長編になるという話もあると思ってて、でそうなると手に余る情報も出てきちゃうから、結果として余計な情報に見えて冗長になってる感じはあるな、と思いました。
🏝
ナルセ: じゃあまずはアイマス先生から、頂いた回答の補足説明といいますか、伝えたかった所を改めて解説していただけたらと思います。
アイマス: まず前提として、長編って短く纏められない何かがある訳じゃないですか。それは削らなくていいんですよ。大抵の場合、話を畳むためにそれっぽい説明を加えたり、自分が書いてて気持ちよかったキャラクターの面白い掛け合いが入ってたり、あわよくばサイト上に残しておいて後から誰かと共有したい設定が入ってたり、色々ある訳ですよ。
アイマス: 最初は形にするためにまず書いちゃっていいんですよ。ただ、書いた後で数日寝かせて考えたときに、『本当にこれ面白いの?』『本当にこの話のテーマを考えたときに要るの?』って考えるとだいたい半分以上は要らない。『財団らしさを出そうとして説明しすぎ』とか『キャラクターの独自性を出そうとし過ぎて読者にとって要らない情報だから逆に読者が何見ていいか判んなくなる』とか、自分で目配りしたつもりでかえって要らないものを増やしている、っていう。本命の情報までズバッと一直線に書ける人には要らない工程なんですけど、財団らしさやキャラクターらしさを気にする人にとってはやりがちな……『気にしすぎ』かなと思います。
ナルセ: まずは自分の文章のクセを理解するところからといいますか、どういったところで余計な情報が出がちかを把握するところから始めてみると良さそうですね。それから回答して頂いた内容にもありましたけど、とにかく批評に出してもらうのも大事ですよね、客観的な視点を得るという点で。
クド: 長編の批評はねー……
メシオチ: 長いから批評を受けづらい所はありますね、だからこそ自分で見えてこない所も増えてきてると思います。
ニメスケ: そもそも長編の批評をできる人、あんまり居ないっていうのも……
メシオチ: でも単純に読者の視点からコメント貰えるだけでもありがたいんで。
アイマス: そういう視点で行くと長編の批評って経験を積む必要はなくて。Taleですらなくても、例えばGoIフォーマットの記事でも批評の経験を積めば、自分の記事の批評って出来る様になるって言うだけの話なんですよ。
メシオチ: それは……なるほどなぁ
クド: じゃあこの機会にね、この場を借りて改めて FattyAcid10さんという偉人にね、感謝を申し上げたいと思います。
クド: ナルセさん、もし可能だったらこの発言の下に私のサンドボックスのURLを貼っておくと面白いと思います。
ナルセ: ああ……成程了解です。
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ナルセ: じゃあ次に、くどさん行きましょうか。
クド: アイマスさんがこんなに丁寧に(回答を)書いてくださっている隣で2行に纏めちゃったのアレなんですけど、言いたいことはほんとにこれだけです。私は長編を書く上で必要最低限の情報だけで構成しているので。必要最低限のシーンを並べて骨格を作るっていうのが私が長編を書く一番最初の作業で、そうなるとお話としてはスカスカなんですよ。
メシオチ: 修飾をつけようという意識がある訳ではないと。
クド: 頑張ってつけるんですよ、最終的に。ですから冗長になりやすいだとかの悩みが私にはほぼ無くて。
メシオチ: 最低限で書こうとしている人間が8万字を書いているというのが逆に面白い話ですね。
クド: あれは8万字で最小だと思ってます。やろうと思えば序盤に学園編を増やしたりとかあった訳ですけど。
ナルセ: それもう1クールに収まりませんよね。
クド: 話が無限に発散しちゃうわけですよ。だからあれを書くときに、最初は文字数決めてたんですよ、13話で1話3000字ぐらいになるように。それが終わりに向かうにつれて話が発散して文字数が2倍とか3倍になってきてしまったので『ああこれはダメだな』ってなって一番短く纏めたのがあの8万字なので。
クド: なので改めて質問に答えると、余計なキャラクターや情報が増えて冗長になるっていうのはそもそも構成が足りてないです。
ナルセ: おお……
クド: 余計ならじゃあ削りましょうよと言う話にしかならないんです。それをお茶を濁した回答にすると2行くらいになったという事で。
アイマス: 強火来たな……
ナルセ: だいぶ強火ですね今のは。
クド: だって要らないもん。
メシオチ: 文字数は決めると……それより膨らみますよね。
クド: だいたい1.2倍から1.5倍になります。
メシオチ: 私の友人が文字数を指定できるアプリを使って執筆をしてるんですが、13話構成の話を書いてたらしいんですが9話あたりで10万字超えだして、最終的に17万になったという話をきいたことがあって。
クド: なんか……その知り合い、心当たりがあるかもしれない。
アイマス: 言わんとすることは判るけど、9話で10万字超えてるのにのこり4話で7万字使うってのはそれはそれで構成に問題ある気がする。
クド: これに関しては擁護があって、終盤って伏線を回収していくので、書いていて無限に増え続けちゃうのはわかるんです。
アイマス: まあ……そうですね。
クド: なのでまぁ、souyamisaki01412の事は許してあげましょう。
メシオチ: 名前言っちゃったよ。
クド: まあですから、私から言えるのは。削れるだけ削り切ったのなら、後は胸を張りましょうと。そこが一番言いたいところです。
🔔
メシオチ: ちなみにナルセさん的にはこの質問に対し現状でどんな回答を持ってるのか気になってるんですが。
ナルセ: 私がですか?
メシオチ: そうですね、それもやっぱり聞いておいた方が。やっぱり長編を、それこそジャムでもマクロペタラを書いた人間として……
ナルセ: マクロペタラの話をここでするのはやめて下さい!13
メシオチ: いいだろ別に胸を張れよ。
ナルセ: まあ……なんだろ、私は情報を減らすんじゃなくて場面を減らすというのを結構やりがちで。こっからここまで無くても話伝わるんじゃないのって所をごっそりカットして、代わりに情報を出すためだけのごくごく短いパートをパッと挟んでハイ次ってやってるんですよ。描写を省き情報を出したいという意思表示をすることで読者にそれが無駄ではないんだと思わせようとしているというか。
メシオチ: あー……
ナルセ: これがQ9ALTになると話が変わってきて。あれは設定資料集の1ページ的な……コラムって言うんですかね、そういうのを作中でポンッと放り込んでて、ああする事で設定を説明するために割く文章量を最小限にすることが出来て。
メシオチ: 結構明確に……こう、設定とそうでない所を分けてるってことなんですかね。
ナルセ: いちいちこう……人と人の掛け合いの中で設定出したくないってのがすげーある。
メシオチ: キャラクターは掛け合いの中で作っていってるのかなぁ。
ナルセ: そうですね、それを邪魔しない為の設定の出し方を心掛けてます。
アイマス: 小説だからこそできる工夫ですね。
閑話: 長編Taleと長編SCP
ナルセ: そういやこれは完全な余談になってしまうんですけど、長編Taleと長編SCPの決定的な違いってどこだと考えてますか?
メシオチ: それはちょっと聞いてみたくはありますね。
クド: 両方書いたことがあるのは……この中だとアイマスさんだけ?
メシオチ: だけです。約一人です。
アイマス: そうですね。SCP記事っていうのは何でもありだから、探せば反例が見つかると思うんですけど……殆どのTaleとSCP記事の差っていうのは、地の文が書けるかどうかですね。それこそ私が書いた2911はキャラクター同士の掛け合いもあり、映像っぽい部分やアクションもありでかなりTaleっぽく振ってますけど、地の文は無いですよね。
ナルセ: そうですね。
アイマス: なので、(2911は)明らかにキャラクターの会話が説明口調なんですよ。説明口調だけど一応アクション映画っぽい雰囲気が出る様にしてるんです。ENのサイト-13に何が起こったか?あたりから着想を得てるんですけど、あのあたりから広まったアクション映画みたいなログがバシバシ出てくるタイプのTaleっぽいSCP記事っていうのは、基本的にログの解説文と言うていになっている部分を地の文代わりにして、後は説明口調をだいぶ誤魔化している説明会話で話を進める。で、所々にログの説明や後から見たレポートや画像を差し込んで臨場感で誤魔化す。
ナルセ: ご、ごま……
アイマス: まあ、言ってしまえば誤魔化してるんですよ。あれは平文で何も表現技法なしで書き出してしまえば台本SSですから。それを雰囲気を如何に誤魔化してカッコよくするかが著者の腕の見せ所なわけで。なので、Taleにすれば地の文は書けますけど、その代わりに外連味というか、ログとか臨場感ある構文を使う事の言い訳をしないといけなくなる訳です。ただTaleだったら地の文が書けるので、(構文を使わなくても)臨場感は地の文で出せる。
ナルセ: 舞台装置の組み立て方がガラッと変わってくるわけですね。
アイマス: ですね、地の文に相当する機能を持つものをどこに置くか、でどういう演出技法を使いたいか、の使い分けですね。まあ後は……単純にSCP記事にした方がvote稼げるんで。
(苦笑する一同)
アイマス: これは言っていい話というか、まず考えないといけない話だと思いますけど。地の文使って演出したいわけじゃないなら、SCP記事にした方が絶対良いに決まってるんですよ。
メシオチ: それを言ったらねぇ。5万字6万字書くより3000字書いた方がvoteもらえますからね。
ナルセ: 元も子もない……
アイマス: 元も子もないですけど、それをわかってた上で長編書いてないと、書いた後その時間と文字数に比する評価がもらえなくて悲しむ哀しい著者が出来上がってしまうので。先に覚悟して書きましょうって話になってしまうんですよ。
ナルセ: まあそこはバッサリ言っておくべきなんでしょうね……
アイマス: ハンデを背負ってでもやりたいことがあるんでしょっていう節がある。
ナルセ: (やりたいことは)まあありますよね?あります、私はあると思ってるんですけど。
クド: 何も考えずに書いたら何万字で……
アイマス: 特殊例だと思うなぁ。まあ……将来的に長編でvote取れる様になればいいですけど現状そうなってないから。覚悟は要りますよねって言う話を。
メシオチ: まあ面白ければ伸びるっていうのもある種の真実ではありますしね。
アイマス: 数年置いたら伸びます。
クド: 読むのも書くのも時間が掛かりますからね。
ニメスケ: まあ書くのは一部の狂人が苦も無く……いや苦も無くは嘘だな。
アイマス: 苦しいよめちゃくちゃ。
ナルセ: 苦しいよ。
ニメスケ: まあ苦しんでるという事で。
ナルセ: まあ苦しんでるくだりは全カットしますが。(印象操作)
クド: だめですよ、残そうぜ。苦しみの記録ですよこれは。
アイマス: そんな我々が苦も無く長編Taleを書いてる人間だと思われたら(長編は)上級者しか書けねぇなってなって終わるでしょう。
ナルセ: それもそうだ。
クド: 我々も血の通った人間でね。
メシオチ: 人間アピールしていかないとね。
アイマス: そうそうそうそう。(灰よりは叩けば出ると思われてる人の悲痛な叫び)
(以降、アレな会話が続いたので中略)
アイマス: 私の大好きなモントーク・ハウスなんかはSCPでTaleっぽい手法をドカドカ使って良い意味で読者を気持ち悪がらせることに成功していますけど、SCPで全編Taleっぽい文章で地の文も使ってごり押すのは相当難しいと思いますよ。それが出来ないならTaleでやった方がいいってのは97%ぐらい真だと思います。
ナルセ: まぁ……そうですね。
アイマス: でもモントーク・ハウスをやってくれるって言うなら残りの3%に全然なって欲しいんですけど。
ナルセ: ハードル……
長編 ≒ Σ短編
質問2: 長編を書こうと思うとストーリーが中弛みしてしまい、中盤の盛り上がりに欠けた読み疲れる作品に仕上がってしまいます。これを防ぐノウハウはありますか?
ナルセ: という事で、この問いに対するアンサーを伺っていきたいと思います。まずニメスケさんから。
📏
ニメスケ: 私はですね、予めやりたい連載のようなものがあって、その全体の流れの中でその1話の長編がどのような役割を持っているのかを明らかにする、という事をやると自ずと書くべきことが見えてくるというか。また、プロットの時点で盛り上がりが欠けるというのは分かる筈なんで、言ってしまえば構成力不足ですね。
メシオチ: 構成力というか、プロットを見直せば防げる事故だという事ですね。
ニメスケ: そうですね、後は一番楽しいシーンを中盤に持ってくるっていう。それからキャラクターや世界観に関する情報は先に出し切っちゃって、ストーリーに関する情報はちょっとづつちょっとづつ小出しにしていく。例えば主要キャラクターの関係性とかですね、そういうのを小出しにしていって。
ナルセ: 面白さを温存しておけって話ですね。
メシオチ: 難しいなって思うのは、中盤って一番長いじゃないですか。中盤の盛り上がりに欠けるって言っても中盤のどこらへんなのか、恐らく起承転結の承転あたりだと思うんですけど、そう考えると承転の前に設定出すのを全部終わらせちゃうっていうのはかなり腑に落ちるなと。
ニメスケ: これ、本質的には質問1と同じ質問じゃないかなと思ってるんですよ。ストーリーが中弛みする状況ってアクションがなく余計な情報が増えるみたいな、そういう状態だと考えていて、これはプロットの地固めで回避できると思うんですよ。
ナルセ: よく精査すればそれくらいわかるよねって話ですかね。
ニメスケ: そういう感じですね、誤解を恐れずに言えば。
ナルセ: まあそこらへんはまたプロットについて語るコーナーがあるので、改めて掘り下げていこうかなとは思うんですけど。
ニメスケ: 私の書き方としては、たぶんくどさんと同じで、極力短く書く、短く書き過ぎちゃうタイプなんですよ。プロットのを書くときに、シーン単位で書くじゃないですか。そこからさらに動作まで分解するんですよ。その動作がだいたい原稿用紙何枚分かなってメモするんですよ。今はもう慣れたんでやってないですけど。その見通しを立てるというか。
メシオチ: けっこうカチカチやね。
ニメスケ: めちゃくちゃカチカチにやります。プロットの時点で全てを決めて、本文書くときはストーリーの事一切考えてないです。
クド: たぶんこの中で一番プロット強火なのが2MeterScaleですね。
アイマス: 怖いねェ~
クド: プロット見比べるのがめちゃくちゃ楽しみ。
メシオチ: あっその会あるのか!
ナルセ: ありますよ勿論。
メシオチ: まあ大丈夫、ね?islandsmaster。
アイマス: こんにちは、カスです。
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ナルセ: じゃあ次、くどさん行きましょうか。
クド: 本質的な回答なんですけど、盛り上がりが無いなら盛り上がり作っとけよ以上なんですよ。
ナルセ: まじでそう思います。
クド: ただそうやって書くと、回答としては不適切なので、色々書いたんですよね。まず先ほどメシオチさんも触れてたと思うんですけど中盤ってどこだよって話で、まあ流石に起承転結の何らかの事件が起こる事は前提としましょう。
メシオチ: 純文学のディスになるけど、何も起こらない作品ではないと。
クド: 何かは起こる作品なんだと。それで何かが起こるまでが長い、っていう話だと思うんですよ。そうするとですね、そのシーンは必要なわけじゃないですか。事件事件事件って続けるわけにはいかないから。
クド: だからそこは土台作りと割り切って、その代わり短めに書くとか、後はちょっとした事件、例えば海外ドラマとかでよくある事件が纏まる前の謎のお買い物回みたいな。猫が迷子になりました回みたいな。ああいうちょっとした事件で展開を作りながら脇役にスポットライトを当ててみたりとか、伏線を置けばとかすれば、たぶん自然と解決するし、長編としてもしっかりする。というのが私の見解です。
ナルセ: 発想がやはりだいぶアニメ的というかこう、異聞伝の著者だなって感じがします。それこそあれは13個の盛り上がりがある訳ですし。メソッドが作品の構成に顕著に表れてるなと思いました。
クド: そこらへんは納涼祭や霧の街にも如実に出てて。
メシオチ: メインのストーリー進行とは別のサブプロットの用意が上手いのかなというのはある。
クド: メインとサブでひたすら話を流していくっていうのは長編の一つのマネジメントしやすいやり方かなって思います。
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ナルセ: じゃあアイマス先生お願いします。
アイマス: 私とくどさんではだいぶ出力のされ方は違いますけど、長編を複数の短編で構成するっていう構造は一緒で。長編って「1万字以上あるような作品」っていうだいぶざっくりとしたくくりな訳で、ワンシーン書き切るために1万字使うっていう人だったらこの話(質問の回答)は全然意味ないんですよ。全く別のアプローチを掛けないといけないから。
アイマス: 転換を挟む複数のシーンを集めて構成されたTaleについて話しているという前提でしゃべるんですが、そういう物の場合は、分割されている各シーンがそれぞれ短編と見做せるわけですね。で、序盤の導入があって話の展開があって最後に〆るって形になる訳ですけど、長編だからここで説明をしてここで盛り上げて、みたいなのを意識する必要は必ずしもない。むしろ長編で重視するべきは、空白を入れるなり罫線を入れるなりして区切った、全てのシーンを一定以上面白くすることです。
ナルセ: 全てのシーン……
アイマス: 一個ズルを言ってしまうのなら、序盤はそんなに面白くなくてもいい。一番序盤は新しい情報がもらえるので。読者は新しい情報が好きなので、一番最初の新しい情報を出す部分だけはそんなに面白くなくても、ああこういう話なんだなって思って読んでくれます。
アイマス: 最初はそこまで面白くなくても割と読者はついてきてくれるんですけど、中盤でボロが出ます。
メシオチ: 『あれこれ面白く無くね?』つって。
アイマス: 言っちゃ悪いですが全体的に面白くないと仮定すると、序盤はバレなくて中盤でボロが出ます。で、終盤を読んでもらえなくなります。
メシオチ: 意外でした。読ませるためにフックで序盤を大事に大事にするって考え結構あると思うので。だから序盤に火力を投入っていう、僕は短編書いてるとそういう思想なんですけど。でもやっぱり長くしていくと大事なのは中盤の面白さであって、情報を出さなくちゃいけないから序盤にそんなに面白さに振り切ってやる必要はないっていう事ですね。
アイマス: そうですね。
クド: ただめちゃくちゃな事を一個言うと、序盤が面白い長編ってやっぱアガりますよ。
ナルセ: そりゃまあ、敢えて面白くなくする必要はないでしょうけど。
メシオチ: 理想はね?あともう一個聞きたいのが、長編は複数の短編の集まりっていうのが結構いろんなところで聞く話なんですけど、複数の短編を書ける人間がどうして長編を書けないのかっていうのは考えたことありますか?
アイマス: 私の意見としては、書けないんじゃなくて書きたくない、若しくは長編とすることに魅力を感じてないだけだと。短編が書ける人は長編も書けるんですけど、長編を書く時間で短編何本も書けるってだけだと思う。
ニメスケ: 私はそれに関しては、やりたいことが一つに終始している、やりたいシーンが一つに終始している、というのがあると思います。
ナルセ: だからそれらを繋ぐ必要が無いと。
ニメスケ: やりたいことが複数あって、それを一つに纏めてみようとするところから長編が始まると。
メシオチ: あんまり腑に落ちないのが、複数の短編を全て同じテーマで書くのって結構しんどいと思ってて。複数の短編を長編に纏めるのが長編の書き方だとするならそれは結構難しいなと思います。
ナルセ: メシオチの極夜灯を10個集めたって長編にはならないですしね。
メシオチ: ならないです。同じキャラクターを使うであったり、もっと一貫性を持つ必要がある。って考えるとやっぱ難しいかなって思います。面白さを担保するって点では複数の短編であるべきというのはわかるんですが。
アイマス: 全てが短編といっても、短編と見做せるというだけで、正確には長編の中から切り出しても短編として読むに堪えるものにはならない訳です。弱くてもいいからその短編ごとにオチを用意しろよってぐらいの話で。それぞれ問題提起や新しい情報なり事件なりを出して、それを解決するか新しい形に変える。その新しい形に変えるっていうのがオチになり次へのシーンへの導入にもなる訳ですけど、それを毎回やらなければならない。
アイマス: 新しいキャラクターなり情報なりを出すからといって、オチをつけるのを怠るとその話はその時点で面白くなくなるし、長編を読むというのは疲れるし、疲れてる時に面白くないものを読まされたら読むのをやめるので、終わり。だからオチを用意する努力をしようねという話になってくるわけですよ。
ニメスケ: 結局、中弛みしたら銃を撃てって事なんですよ。
アイマス: まあ……一番簡単な解決策の一つですね。若しくは中弛みしているシーンをまるっと消すかですね。中弛みしていてかつ読者から見て要るシーンじゃないなら削って、必要な情報を他のパートに分割して組み込んだ方がマシです。構成上面白くしにくいものを面白くしようと頑張るよりは、そのシーンが担っている情報(の開示)を他のまだ面白い所に割り振って馴染ませる方が早いので。
🔔
ナルセ: こう、私の持論では、同じ舞台同じ人間を使い続けてると中弛みしやすいと思ってるので。予め舞台を2つ用意しておいて『こっちの舞台ではこうなりました、一方こっちの舞台では~』とスイッチしていくことで、例えば舞台Aで出そうと思っていたとある情報がそこで出すと中弛みしてしまうから、その情報を代わりに舞台Bで出そうみたいな。
メシオチ: 君の名は。とかそんな感じですよね。
ナルセ: 言われてみればそうかもしれない。
アイマス: キャラクターを複数用意できて、舞台を二つ使えるなら有効な手法だと思います。
ナルセ: 常に使える訳じゃないですね。
アイマス: 会話劇の場合は難しいですが、そもそも会話劇自体が難しいので。あんまり考えてもしょうがない気がする。
ナルセ: そうだ、これは感覚的な質問になっちゃうんですけど、地の文と会話文って、実際にどんな比率になってるかはともかく、計画というか想定の段階ではどの程度のウェイトになるように心がけてるとかあります?
メシオチ: パッションじゃないの?そこらへん。
クド: ノリ。
ナルセ: だんだん疑心暗鬼になってきません?地の文と会話文のバランスおかしいんじゃないかみたいな。
メシオチ: いや、わかるけど……最終的には自分を信じるよそれは。
クド: 音読するとかで上手いことやるしかない。まあその辺は好みの問題もあるので。
メシオチ: 会話のターンと独りのターンを明確に分けてる節があるから僕はわかんないな。
ニメスケ: その問題に対しては僕は自分にルールを設けていて。通常は4つ以上会話を続けず、地の文を連ねるっていう制限を設けています。
クド: 私は逆ですね、地の文を切っちゃいます。地の文はダラダラ続いてると読みづらいけど、会話文はなんだかんだ言って密度はそこまでなんで。
メシオチ: 会話文をやれるときは、会話文を増やした方が楽できるっていう認識があるから。
クド: そこらへんは、Dr_Kudo作品と2MeterScale作品はおそらく作品の密度が違うので、見比べてみると非常に面白いと思います。この辺の話は作劇技法の話とは違う気がしないでもないですけど。
アイマス: かなりその人の作風の話になりますね。
クド: 700字の話になっちゃう。
🍣
クド: あっそうだ、最後に1言2言だけメシオチさんに言いたいことがあるんです。
メシオチ: なんでしょうか。
クド: 長編と短編の違いの話だったじゃないですか、それについて2言だけ私の持論を伝えておくと、短編を重ねて長編を書くという成功体験がないだけだと思うので、小規模でもいいので長編をあげてみませんかというのが1つ。
アイマス: というかその話で言うと、メシオチさんはもう成功者なのでは?もう一本出してますよねそういう形の長編を。爪弾かれても中指立てろという最大の成功作が。
メシオチ: まあ爪弾つまはじはそういう作品ですけど。
アイマス: これで成功してるんだからそれでいいだろと思いますけど、私は。
メシオチ: あんまり上手く行ってるって印象がないんですよ僕の中ではやっぱ。
アイマス: いやぁ、いやこれが読まれてないのは許せない。
メシオチ: 終盤の畳み掛けにかけてロジックエラーが出てるんですよね。
ナルセ: あぁー……
クド: それはアレですね、やっぱ経験ですよ経験。積んでいきましょう。
アイマス: それが書けるんならいけるだろうと思いますけどね。
メシオチ: これで良いなら良いけど。
クド: というのが1つ。もう1個が、同じテーマの短編を重ねていかなきゃならないのが辛いって話あったじゃないですか。短編というのは一つ一つに完成度が鬼要求される分野だと思っていて、長編になるとですね、それぞれが独立する必要がなくなるので、テーマをそろえて重ねるっていうのは多分そんなに難しくない。短編に比べれば。
メシオチ: ああ……そうなんですね。
クド: という事でこの2つを合わせて『あ俺長編書けるようになったわ』っていうのを1回やってみてもらえたらなというのがあります。
メシオチ: まあ……頑張ります。
ナルセ: それでは1時間ほど経過しましたので、一旦休憩を挟みたいと思います。後編は皆さんに持ち寄ってもらったプロットを、私からの質問の回答を参照しながら見て語り合ってもらいたいと思います。
プロットは書け。
ナルセからの質問1: プロットはどの程度組み立ててから書き始めていますか?
🔔
ナルセ: それではですね~
メシオチ: (言葉を遮って)ナルセさんのプロットはあるんですか?
ナルセ: まあ……用意してあ~りますけぇど……まあ……(上擦った声で)
ニメスケ: おっと?
ナルセ: 出すつもりは無かったんですけど……
メシオチ: あるなら良かった、さっきから質問にナルセさんの回答が無かったんで。
ナルセ: それじゃあ誰のプロットから見ていきますか?どれからでもいいですよ。
メシオチ: まずは、islandsmasterからいきましょう。
アイマス: まずも何も存在しないものを。
ナルセ: 無いものは……出せないっ……!
アイマス: 私はカスなので。
(苦笑する一同)
メシオチ: 無いって答えたんですか?
ナルセ: 質問の回答を見て貰えばわかるんですけど……
アイマス: よく見ろよこの潔い回答をよ!何も中身がねぇよ!
ニメスケ: 最高
ナルセ: プロットはないのに回答は一番丁寧っていう。
(中略、なんやかんやあって結局一番槍に仕立て上げられるナルセ)
ナルセ: じゃあ……これです……
プロットの作品ニメスケ: ……なるほどね。
メシオチ: うーん、そうだね。
ニメスケ: これで、これで。
メシオチ: これであれができるのは凄いんだよね。
ニメスケ: これであれをでっち上げられるの凄いですよ。
アイマス: なんか逆に感心し始めてるよ。
ナルセ: 書く事の箇条書きだけですよ、基本。k-calさんが助走つけて殴ってくる感じですが。
クド: これはk-calさんには怒られますね。
ナルセ: k-calさんには見せないです。
メシオチ: でも重要視してるところはわかりますよね、主人公の感情を主軸にして、それがどう変化していくのか見たいな所を主軸にするから、逆にこれ主軸が分かり易いぶん分かり易いのかなと俺は思う。
クド: あれですね、自分に分かり易い形だったら……
メシオチ: 自分の重要視しているところが書けてるならプロットとして成立してるって見方も出来るから。流石に足りないけど。
アイマス: 一般的な言い方をするならこれは『ここからプロットに派生させる物』ですよね多分。
ニメスケ: プロットのプロットですよね。
クド: まあ……言うならもうちょっとちゃんとしましょう。
ナルセ: はい。
アイマス: 無くてあれが書けるなら無くていいのかもしれないけど。
クド: プロットを書こうという趣旨には合わない。
メシオチ: 俺にはよくわからないんですけど、このプロットには具体的に何が足りてないと思ってるんですか?
クド: 展開。
ニメスケ: 展開。
📏
ナルセ: じゃあ次、ニメスケ。
プロットの作品ニメスケ: 2MeterPlotです。(私がpdfファイルの名前を弄ってそうしていた)
アイマス: マジで2mあるじゃん。(pdfが2ページに渡っていた)
クド: あ~なるほどね、これはいい、いいですね。
メシオチ: キャラクター、キャラクター紹介ちょっと……前提知識ある感じだけど。
クド: これはいいプロットですね。
ニメスケ: キャラクター紹介は……あの、楽しい。
メシオチ: この作品で新しくフューチャー15したいキャラクターだけ深く掘り下げて他は自分の頭の中にあったり、読者が知ってるからいいよねっていうきらいを感じますね。
ナルセ: 自分に言い聞かせる所は大きいんだろうなってのは。
クド: この場に箍さん16呼んだら絶叫したんだろうなぁ。
アイマス: 面白いけど収録にならないですよ。
アイマス: シーンごとに何をやるかと、台詞……まあここから増やすにしてもどういう事を言わせたいかを書いてる感じですかね。
ニメスケ: そうですね。
メシオチ: 割と理想的なプロットだと思いますけど。そのまんま緻密に書き続けるって感じなんですね。
ニメスケ: ほんとにこのまんまです。これは一切変えてません。
アイマス: 目的があって、シーンごとに何をするか、どんな情報を明かすか、何を言うか、感情がどう動くかまで。
ニメスケ: これをやれば長編ってみんな書けるんですよ。
アイマス: これを作れるかどうか、ですけどね。
(中略)
クド: プロットって情報の整理にめちゃくちゃ有用なツールであって、あるから面白くなるとかないからつまらないとかじゃないんですよ、アイマスさんはない訳ですし。
アイマス: プロットは台本じゃないんですよ、つまり。情報の出し方のアレだから。(言葉に詰まる)
クド: 設計図だから。それが頭の中で完璧に出来る人ならまあプロットを書く必要は確かにない。
ニメスケ: これの続編の方は2年掛けて練ったものが全部頭に入ってるんでプロット書いてないですし。
アイマス: なるほどなるほど、これは確かに勉強になりますね。
クド: 長いのやる上で設計図書かなくていいっていうのは相当ビックリしますけどね。どうやって書いてんだよっていう。
アイマス: その(設計図書かずにどう書いてるかの)話もしてくれって言われてるんで私の番になったら説明しますけど。
クド: やったぁ。
メシオチ: 素晴らしい。
クド: みんなでプロットなんて邪魔くさいものは捨てましょう!
ナルセ: 待って待って
ニメスケ: 俺は今から、プロットを捨てる!
アイマス: 書けるんだったら書いた方がいいと思いますよ、批評に使えるから。
メシオチ: プロットを書いて燃え尽きてしまうくらいならプロット書かない方がいい、とは。
ナルセ: どちらかといえば私は『ここまでできるならプロット書かなくていいよ』っていうライン引きをするためにアイマス先生をお呼びしたので……
クド: 私プロット破壊論者なんですけどちなみに……
メシオチ: え、そうなの!?あ、プロットを書いたうえでそのプロットから逸れていくって考えの持ち主でしたよね多分。
クド: というより、プロットって結構小綺麗に纏まっちゃうじゃないですか。だからプロット通りに話を書くと基本的に面白くならないという持論があって。
アイマス: だいぶ過激なの来たな。
メシオチ: 書かなきゃいいのに……
クド: だからプロットがどこかで空中分解して初めて話が面白くなるくらいの勢いで普段はやってますね。
アイマス: これ……先に言っておくとかなり過激派ですからねこれ。
ニメスケ: あー、言われてみればですね。
アイマス: いやいやいやいや……
ニメスケ: プロットに起こす前に何度も頭の中で空中分解してるんですよ。
クド: 書く前に頭の中で纏まるような話が面白い訳ないんですよ。
アイマス: この会話から導けるのってたぶん『だからプロットはいらねぇよ』じゃなくて『プロットに絶対従わなければならない訳じゃない』って事なんですよね。
クド: プロット通りに話が完成しちゃったらプロットをちょっと見直すべきだと思う。半分ぐらい破り捨てるのが一番いいなって。
アイマス: 半分はキツイなぁ……
クド: 書かない人が何言ってるんですか!
アイマス: いやでも、プロットを書けてプロット通りに進められるなら、まずプロット書いた方が良いですよね。作り終わってから、本当にいいのかってのを考えるって話ですよね多分。
クド: それだとね……修正間に合わないんですよ多分。だってシーン増やさないといけないから。最悪物語の結末変わるんですよ?
メシオチ: プロットの終わり掛けに『答えは書きながら見つけます』って書いてあるやつ。
アイマス: それプロットっていうの?
メシオチ: 俺は結構やりますよ。今回出したやつは違うけど。それで箍さんとめっちゃ共感しあった。『ここをプロットなんかで決めてたら書く必要ないですからね!』って。
ナルセ: おかしいおかしいそれはおかしい……
クド: プロットを過信するなというのはここで言っておきたい。
アイマス: 大事だけど過信するなと。
🍣
ナルセ: それではそろそろ次に行きましょうか。クドさんには3つのファイルを頂いております、全て1つの作品のためのものです。
プロットの作品メシオチ: 3つ?
ナルセ: プロット、タイトル、年表の3つです。
メシオチ: ガチすぎる。
ニメスケ: これはめちゃくちゃ理想的ですね。
ナルセ: 私度肝を抜かれましたよこれ渡された時。
アイマス: プロットって聞いたんですけどなんか企画書入ってません?
クド: タイトル(のファイル)の下に実はワンシーンあって、これが最初の異聞伝の姿です。
メシオチ: さっきの2MeterScaleのやつが物語を決めて書くよって感じのプロットでしたけど、こっちは物語を書く舞台を重視してるのかなって。なんて言えばいいのかな、
アイマス: 世界観?
メシオチ: そう。
クド: これが情報の整理に特化した形になりますね。
アイマス: 各話ごとの何をするかってのはほぼ書いてなくて。
クド: 第10話と第11話見て欲しいんですけど、本来は前後編だったんですよ。これがなんで一つになったのか、見比べると面白いと思います。
アイマス: プロットが壊れた跡がここにあるんですね。
メシオチ: まあクドさんの著者ページで有名な話ではありますからね。
アイマス: 話の形式的に、Tale1個というよりは連作の頭から終わりまでの構成書に近いですね。Tale1本という話ではあんまりなくて、どっちかといえば連作を完結させるためのプロットに近い。
アイマス: まあでも分割すれば1本のTaleの範疇なので。
ニメスケ: 私も私でこのようなものは裏で用意してるんですけど、見せられないので。
ナルセ: まあそうですよね、完結してませんから。
クド: 年表はね、用意しとかないとわからなくなっちゃうので。
ナルセ: 確かに長編のプロットとしてはやや異色かもですね。
アイマス: 長編だったら本来各シーンがもっとシームレスに接続するので、(プロットを)やるんだったら、2MeterScaleのやり方に近付くんですけど。これ(異聞伝)は体裁的に各話がぶった切られていてもいいので、こういう形でも戦える。
ナルセ: こういう形式の作品が増えるのも全然ありだと思ってます。
🏝
メシオチ: じゃあそろそろ楽になっていいですか?
ナルセ: いやまだですよ、先にislandsmasterが。
アイマス: なんで???
メシオチ: (プロットが)あるんですか?
ナルセ: プロットはないですけど、語って貰わないと。
メシオチ: プロットがない場合の書き方について語って貰うのか。
アイマス: プロットがない場合……ない場合でも、書き出したり書き出さなかったりは様々ですけど、えーっと……(悩む)
メシオチ: いいな、皆がこうやってプロットという武器を持ち寄っている中で何も持たずに挑んでて。『プロットは要らないんです』という。
アイマス: 要らないとは言ってないです。
ニメスケ: 多分ナルセさんのに近いんでしょうね、ナルセさんは書いてますけど、アイマスさんは頭の中で完結させてるっていう。
アイマス: これ(ナルセのプロット)より情報量少ないですけど……私の場合はそんなに特定の変な異世界とかにすることは無いんで、舞台がどこか、どのカノンを使うか、或いは普通の財団世界観にするかみたいな舞台設定を決めるのと、人物……これはその時その時で必要になったらキャラを探して追加するんです。
アイマス: とりあえずメインキャラクターが誰か。必ず登場させなきゃいけないキャラクターは決めてます。で、展開に関しては、私の作品はワンシーンワンシーンにそう目新しいものは無いので、まあ言ってしまえばどっかで見たような映画や小説の展開を登場人物にやらせて、その組みあわせが今まで無かったものになるってだけなんですよ。なので、完全に新しいものを書きたい、突飛なものを書きたいって人だったらこのやり方は使えないですね。私は王道ちょっと捻りぐらいしかできないので。
ニメスケ: それはつまりえげつないインプット量あってこそみたいな。
アイマス: そんなにインプットしてるかなぁ……
クド: 結局あれですよね、映画を見ろに尽きる。
アイマス: どこかで見たようなものの組み合わせならプロットは要らないって事です、真新しさがないので。
クド: それで破綻なく書いてけるのやっぱりバケモノなんだよなぁ。
アイマス: 無くても書けるという話で、無くて良いという話ではないです。プロットがあると、批評してもらうときや改稿するときに自分が何をしたかったのか確認できるので。
メシオチ: 批評もそうですけど、共著の時も必須だなって思います。
アイマス: まあそうね。意見の共有が出来ないと本当に困るので。共著でプロット書かないのはやばいっす。k-calさんに殺されます。
ナルセ: それはそう。k-calさんはk-calさんだし。
メシオチ: 具体例を出しやがった。
アイマス: k-calさんに殺される仲間じゃないですか我々は。
クド: いいなぁ、俺も仲間に入れて欲しい。
🍚
ナルセ: じゃあ、楽になりたいですか?
メシオチ: 楽にしてください早く。
ナルセ: じゃあ……楽にします。
メシオチ: まあ、思ったより雑だった人と書いてない人いるから気が楽ではあるけど。
ナルセ: 私を馬鹿にできるほどではない。
メシオチ: 馬鹿にはしてないだろ。
アイマス: これからあれ(爪弾)を?
メシオチ: これからあれを。
アイマス: ええ……?
ニメスケ: いや、これはこれで……結構いいと思いますけど。
メシオチ: 褒めてくれる人が居る。
ニメスケ: これはですね、あのー……(そこそこ長い沈黙)
クド: (笑)
ニメスケ: ちょっと待って下さいね、ぱっと見で良いなって思っただけなんで……
メシオチ: 言語化出来てない。
クド: スターターって何。
メシオチ: スターターだけ書いて、『この後の展開何も考えてない』ってなって書いたのがこのプロットなんですよ。
アイマス: あぁ~わかるなぁ~
ニメスケ: このプロットってやる事が自分でわかってるわけじゃないですか。
メシオチ: わかってないよ。
ニメスケ: わかってないの!?
メシオチ: やりたいことはあるね、明確に。
ニメスケ: やりたいことが明確に自分の中にあってそれがこの中で示されててって点で凄くいいなと思ったんですけど、ラストは何ですかこれ。
メシオチ: ラストはさっき言ったじゃないですか、書いてるうちに考えて、答えを出すんですよ。
ニメスケ: なるほどね?
メシオチ: このシーンを書いてるうちにキャラクターが成長するので、勝手に選んでくれます、後は。
ニメスケ: 多分やろうとしてることはクドさんに近いんだろうなこれ。
ナルセ: 近いか……?
アイマス: プロットを書こうとしてるか否かの違いじゃないでしょうか。
ニメスケ: さっきクドさんプロットは崩壊するって言ってたじゃないですか。
クド: あのねこれはね、崩壊するていを成していないので、一緒にされるのは心外です。
メシオチ: おぉおぉ……うぉぉ……
ニメスケ: じゃあちょっと、失礼しました。
アイマス: これはプロットではなくてメモだとは思うんですけど……
メシオチ: でもねー、これはこれを書いた時点では人生で一番真面目に書いたプロットですよ。
クド: やっぱ、やっぱプロット要らないんじゃないかなもう……
ナルセ: 待って待ってその結論にするのは……あの、あんまりにもあんまりすぎる!
アイマス: これ私の仲間でいいんじゃないですか?
クド: この対談、みんな結構ちゃんと書いてる人たちなのに……このザマですよ。
ナルセ: こ の ザ マ
ニメスケ: 私の事見習ってくださいよ。
クド: さっきも言いましたけど、長いの書きたかったら情報整理はちゃんとしましょうね。で、情報整理のやり方は色々あるから、プロット書く人はプロット書いたらいいし、メモ程度で済ませれるならメモでいいし、で、アイマスさんみたいに既存のシーン類型が頭の中にあって、それから引用してお話を作ってテーマを乗せることが出来るならそれでいいよってのが結論ですね。
アイマス: まあその、やりたいことの核を自分で覚えていられるならそれでいいと思うんですけど多分、概ねプロットを書いた方がいい結果を導ける気はしてきた。
(中略、概ね『具体性のないメモだけだと後々自分の首を絞める』という話をしていた)
メシオチ: 具体性が足りないっていうのはね……夢でよくk-calさんに言われるんですよ。
アイマス: 夢に出てくるんですか!?
メシオチ: まあ夢じゃない時も言われるけど。
メシオチ: イマジナリーk-cal「具体性が足りないねぇ」
メシオチ: メモとプロットの違いは舞台を組み立てる上での具体性の有無だと思うんですよね。これがやりたいとあれがやりたいだけだったらガキでも書けるっていう。
(中略、概ね『インプットがないとプロットも書けないよね』という話をしていた)
ナルセ: そうだ、短編書ける人が短編用のプロットを書いてみるのはどうでしょうか。プロット書く練習に。
アイマス: 短編でプロット書く人居るのかなぁ。
メシオチ: 出しましょうか?
アイマス: あるんですか?
メシオチ: これです。
98でロックンロールやりたい
地下における音楽は記録に残らない→CDがない
英雄の否定
いいオチ
ナルセ: 待て待て待て……
アイマス: いやぁ~親近感湧くなぁ~
ニメスケ: いいオチ。
閑話: Youは何しに長編に?
ナルセ: そう言えば私これ聞きましたっけ、「なぜそのアイデアを長編にしようと思ったのか』
メシオチ: 全然聞いてないと思う。
ナルセ: それじゃあちょっと聞いていきたいなと思うんですけど。えーっとじゃあニメスケから行こうか。(キラーパス)
ニメスケ: おーっとおっとおっと?
メシオチ: あなたの長編はどこから?
クド: Youは何しに長編に?
📏
ニメスケ: これは非常にシンプルで。きっかけは2020年のお見合いで、私の谷崎翔一とRainyRaven氏の応神薙を組ませてしまったが為に。
クド: あっ、そこなんだ発祥。
ニメスケ: はい。組ませてしまったが為に、書く運命(さだめ)となってしまったんですよ。
クド: え……え、ちょっと今混乱しています。
クド: あそこから生まれたの!?
ニメスケ: あそこから生まれました。
クド: イラナギタニショーが!?
ニメスケ: そうです。
クド: これだけ強度が高いカップリングなのに!?
ニメスケ: あそこから生まれました。
アイマス: 誰か強火のカプ厨が生み出したわけではないという事です。
ニメスケ: 生み出したのは私ですし、同居させようと言い出したのも私です。
メシオチ: え、谷崎って応神前提のキャラじゃないんだ。
ニメスケ: 違うよ?
クド: そうそうそう、そこに困惑したんですよ。
メシオチ: 知らなかった、余りにも。
クド: え待って、えだって、うぅ?
ニメスケ: えっと谷崎翔一って色んなバージョンが居て、この中だとアイランズ先生しか知らないんだけど、幻の初稿ってのがあって。
アイマス: もはや懐かしいとしか言いようがない。
ニメスケ: それはもうインターネットのどこにも残ってないんだけど、そこが谷崎の元です。で、応神薙と組ませるにあたってお菓子作りが好きという設定を新たに盛り込んで、それ用のキャラに微調整したのが今の谷崎翔一。
アイマス: 確かDiscordでホームズとワトソンがやりたい的な話をしてたんだったかなぁ。
メシオチ: ワトソンありきのホームズだと思ってた。
アイマス: ホームズが居てからのワトソンですね。
ニメスケ: そこで出会ってしまったがゆえに私はもう書くしかないみたいな。
アイマス: キャラクターでやりたいことがホームズとワトソンって定まってしまったからもう長編にするしかないと。
クド: しかもそこで語るべき内容が多岐に渡ったから長編になったと。
ニメスケ: そういう事です。
アイマス: 長編にしたくてしたんじゃなくて、長編じゃないと表現できないと感じたから長編にしたと。
ニメスケ: そういう事でございます。
アイマス: はいはい……財団というシェアードワールド特有の事故ですね。
ニメスケ: これは、人事ファイルに死んだと書いている以上死ぬまでは書かないといけないなと思ってますね。空き家の冒険17が始まるかもしれないけど。
アイマス: 結局やっぱ生き返るじゃないかよ。
🍣
ナルセ: じゃあえっと次、くどさんは。
クド: 私も、書きたいもの、書かねばならないものが見つかった時に、しょうがなく書いたらこういう風になったという話ですね。
メシオチ: ああ、さっきそう言ってたように……
クド: 書こうと思って長編書いてないんですよ。
メシオチ: あんまりそういう人っていないかもしれないですね。
クド: 10万字書くぞ!からプロット書き始める人っていないと思ってて。『こんなのが書きたいな』って時に語ることがいっぱいあるなってなって長編になったり。それ以外に長編の発生方法が無い可能性もあるな。
メシオチ: いや、まあ……じゃあ後で言います。長くする必要はないって言いたいことは解ります。
アイマス: 最適な表現方法が長編になるという事ですね。
クド: そうですね、テーマ次第。
🏝
ナルセ: じゃあ次、島民先生お願いします。
アイマス: 何やっても長くなるんで。
ニメスケ: おしまいや。
アイマス: 短くしたくて苦しんでるんだけど短くできた試しがない。
クド: でも無駄は削ってるんでしょう?
アイマス: 削ってはいるんですけど、多分ちゃんと削れている訳ではなくて。自分が気持ち悪くならない程度に削るとああなる。説明したがりなんですよ。
クド: 仰ってましたね。
アイマス: その感情の動きとか、行動とか、もっと言ってしまえばキャラクター同士の会話だとしたらなぜその2人がその空間に居合わせているのか、その組織はなぜ2人がそうしているのを許しているのか、みたいな背景の動きまで含めて全部説明したくなっちゃって。
アイマス: その説明の中で要らなそうなところを、自分で書いてて気持ち悪くならない程度まで削るとああなるっていう。説明したがりの自分をなんとか抑えているという状態なんですね。
クド: ちょっと個人的な興味があるので、ひとつ質問をしても宜しいでしょうか。
アイマス: どうぞ。
クド: 説明したがりって事ですけど、小説独特の悩みというか、事情だと思うんですよね。映画とかだと、そこらへんって演出とかでバッサリカットしちゃうじゃないですか。
アイマス: そうですね。
クド: そういう風にならない理由ってあるんですか?島民先生の作品って確かに読んでると結構説明出てくるじゃないですか。どういう所から発生した説明なんでしょうか。
アイマス: 映画なりドラマなりだと、お約束だからという事で映像と作劇の力で割と許してもらえるところはあると思いますし、視覚的な情報量が多いと思うので。
メシオチ: 許せねえよなあ!最後に米津流すやつと最後にRADWIMPS流すやつ。
クド: 許せねぇな。
アイマス: 視覚と聴覚でね。最後にLemon流して涙腺を攻撃してくるやつ。
メシオチ: マジ許せねぇ。見るたびに思うんですよね、『確かにこの作品は面白いけどそれはそれとして最後にRAD流したり最後に米津流したらおもろいよ』って。許せねぇ。
クド: 演劇の豪華なMVに過ぎない。18
アイマス: あの展開からLemon流したら面白いに決まってるんですよね。あれは狡いと思いますけど、アンナチュラルの話ではなく。アンナチュラルだったら許してくれることを小説だったら許してくれないので。
クド: なるほどねぇ。
アイマス: 音楽もないし、綺麗な画も背景もないから。だからホントはやんなくてもいいのかもしれないけど、やっぱり自分としてはしなきゃいけない気がしちゃうんですよ。
クド: 説得力がそうしないと生まれないという。
アイマス: そうですね、私は凄く説得力重視の作風なので。地の文にしろ会話にしろ、説明してる雰囲気を出さずに説明する事に執心しています。
クド: 面白い話になりましたね、説得力を出すためには、長くなってしまう……
メシオチ: 悲しいモンスターみたいになってる。
アイマス: 別に長編が書きたい訳じゃない……
メシオチ: うーん、長編が書きたくて仕方ないですけどね僕は。
クド: 長編対談の後半になって明るみになる、なぜ長編を書くのか。別に長編が書きたい訳ではないという事実。
🔔
メシオチ: ナルセさんは何なんですか?
ナルセ: 私ですか?まあそもそもの前提の共有をしたいんですけど、私が書く文って基本的に世間一般にどう呼ばれているかというと、『ラノベっぽい』ってよく言われるんですよ。
メシオチ: ラノベっぽいというか、ラノベを目指してそうというか。いや目指してるかは知らないけど。
ナルセ: ラノベライクな意識はありますよ、だいぶ。
クド: ラノベにも、シャナとフルメタとハルヒと……
メシオチ: あーシャナっぽいな。
クド: それはわかる!シャナっぽい確かに。
ナルセ: 読んだことないですけど私。というよりラノベっぽいものを目指してるけどラノベを読んだことが無いんですよ。
メシオチ: 雰囲気としてシャナっぽいな、緋弾のアリアとか。
ナルセ: へぇー、読んでみようかな。
クド: シャナとアリア並ぶんだ面白いな。
メシオチ: いやなんか、その2つが一緒だとは思わないですけど、ナルセさんの近似値を投げるとなるとその2つになるな俺は。
ナルセ: それで、そのラノベっぽい文章にどうやったら納得感が与えられるかというと、結局文章量だと思うんですよ。さっきのアイマスさんの話と被るんですけど、私は意図して説得力ではなく納得感という言葉を使うんですが、ラノベっぽい軽~い文章で、納得感を持たせるには、それ相応の積み重ねが必要になってくるんで。展開が性急になればなるほど、三文芝居感が勝ってしまう。どんなに伝えたいことがあっても伝わらなくなってしまう。って風に考えてるんですよ、私は。兎に角お膳立ては丁寧にしなければならないという半ば強迫観念の中で、文章を作ってるなっていう。
アイマス: 実際わかる話ではありますし、戦略としては割と的確なんじゃないかなぁ。文体が悪いという訳ではないんですけど、財団でウケる短編との相性が悪い文体だと思う。
ニメスケ: それで言ったら島民先生や私みたいなやつも、
メシオチ: いや、2MeterScaleは頑張れば短編でウケるやつ書けると思うけどね文体としては。islandsmasterは短編で結局俺より上の順位を取っているので、素手喧嘩コン19で。
アイマス: (SCP-JPでは)翻訳小説チックな硬い印象を受ける文体が割とメジャーめな印象がありますから。ある程度(文体が)軽くてもいい状況に昨今はなってると思うんですけど、それでもやっぱり会話文主体で地の文まで含めて軽くする感じに振ると、短編では流石にテイストが軽すぎではないかって方に行く雰囲気あると思うんで、長編に振るっていうのは実際戦略としては理に適ってますね。
クド: ちなみにナルセさん的にはSCP財団に作品を残すという事にどのくらい重きを置いてるんですか?財団環境に合わせるために長編にしているのか、それとも単に書きたいものが長編になるのかは結構大きな違いだと思っていて。
ナルセ: 後者だと思います。それこそ長編を書き始めたきっかけが『いったん自分が書けるもの書いてみよう』ってやった結果がアレ(Q9ALT)だったんで。だいぶ素の私なんですよね、あの書き方が。ですから別に財団に合わせようって訳ではないんですけど、でももちろんさっき言った通りの強迫観念っていうのはやっぱりあって、書きたいものを此処で書こうと思ったら、(財団に来る)前に書いてた(長編)よりも更に長くなったみたいな感じで。前からやや長めの物を書いてたんですけど……
クド: だから環境に合わせるっていう事情と、本来長いの書いてたっていう、合わせ技ですねじゃあやっぱり。複合要因。環境と戦う為に大事ですねやっぱり。
アイマス: 個人的には、もうちょい切りつめても受け入れられる土壌はもうあると思いますけど。それでもあんまり短いのは相性悪いかなってのはありますよね。あとは文体も頑張ればある程度は変えられたりするんで、短いの書きたいって思ったんだったら多少文体を変えるってのも手ではある。文体なり語りなりを。若しくはそれこそ、形式をすべて変えて、会話文だけに振る。ちょっと難しいですけど。
メシオチ: オリエンテーション書いたら?
アイマス: オリエンテーションはねぇ……難しいっすよ。
ナルセ: 難しいでしょうねぇ、読んでても思いますもん『難しいだろうなこれは』って。
メシオチ: もう無理だね、書いてる人間が言うなら間違いない。
アイマス: あれこそシーンが固まってるからかなり頑張んなきゃいけない。長くしきれないし。オリエンテーション形式の結構つらいのは、長編を縛られてる事だと思いますから。
クド: つまりあれですね、オリエンテーションで長編を書いたら新しいって事だな。
メシオチ: 長編落語なんだよそれもう。
アイマス: 新しい事とウケることはイコールじゃないんだよなぁ。
メシオチ: 誰もやってないのは誰もやれないから。
クド: だからこう、しれっとプレゼンの準備のシーンから始めるんですよ。
メシオチ: カメラを止めるな!なんだよ。
ナルセ: 『それで、あなたはオリエンテーションを書きますか』
メシオチ: エッセイじゃん。
アイマス: メタもやり尽くされてるからなぁ。
クド: 最初オリエンテーションでベーグル出てきたときビックリしたんですよ。
メシオチ: ベーグル……いいよね。
クド: 寿司じゃないんだと思って。
メシオチ: 寿司は出さねぇよ!
クド: なぜなら私は闇寿司からオリエンテーションに触れたからです。
メシオチ: クレフ博士のハウトゥとかじゃないんだ。
アイマス: 怖ぇよ……ちゃんとタイトルそのまんまのオリエンテーションとか読んでてくれよ。ロンバルディは名作だから。
ナルセ: URL貼っときますね。
メシオチ: ……何の話だっけ。
🍚
ナルセ: 何のために長編を書くのか。じゃあそろそろメシオチがどうして爪弾を長編にしたのか聞こうかな。
メシオチ: 今後この書き起こしを見る皆さんにも言いたい話なんだけど、僕はまず短編書きで、短編を2020年から2021年にかけてずっと書いてきた人間なんですけど、成長が無いんですよね。単純に。
ナルセ: あぁー……
メシオチ: 俺の中の短編のフォーマットというのはもう出来上がっているというか。これぐらいやれば30は超えて、後はアイデアだなっていう結論がもう出てて。結論って言うとちょっと大げさだけど、コンテストってこのぐらいのクオリティでこういうフォーマットでやれば50は取れるなぐらいの感じで。後はその時どんくらいアイデアが出るかみたいな。まあ運ゲーなんすよ。これってすごい良くないことだと思ってて、これで僕が承認欲求モンスターでこれを続けてるだけで満足できるなら良いんですけど。
アイマス: そうではないと。
メシオチ: あのー、成長が無いって面白くないじゃないですか。
クド: そうねー。
ナルセ: 変化は大事です。
メシオチ: そう。だからこの長編ってやっぱり『苦しい、しんどい』みたいなことみなさん言ってたんですけど、そのぶんの成長の側面はだいぶあると思うんですよね。
クド: 審議ですそれは。
メシオチ: いや短編よりは明らかに長編の方が得られる経験値多いっすよ。時間を掛けてて、構成もやらないと破綻する可能性が短編より高い。っていうのが一個と、あともう一個はね、シンプルにね、出せる文学賞が少ない。
(沈黙)
アイマス: ……なるほど?(笑)
クド: あー文学賞ってあれですね、財団外の。
メシオチ: 財団外にいざ飛び出そうってなった時に短編はみんな書くんですよ。けど褒められてる数は少ないんですよ。なぜなら、なんかみんな書ける気がするから。『3000字?1万字?みんな書けるよ』っていう。そこの勝負はしたくない。
クド: 何なら単行本とかって10万字とかありますもんね。
メシオチ: そうそうそう……って考えて、今後も趣味のつもりだけど、やっぱ進歩が好きな人間で、趣味で一回やってみたいなっていう人が居たら、長編に挑戦するのは全然アリだと思ってて。僕はそういう思いや価値観があってこの対談に参加してたり、長編を書いたり、長編の書き方を教わったり、一緒に長編を書こうって言ったりしてますね。
ナルセ: 成程……いい事聞けたな。成長のための長編だったんですね。
メシオチ: 短編ね……成長曲線緩やかだと思う。だいぶ。
クド: 後はアレですよメシオチさんが、ご自身で多分自分の成長を実感できなくなったんでしょうね。
メシオチ: 出来ないですね。やっぱ1年2年続けてると、短編でやれる手持ちが無い。SCP書くってのも考えたんですよ、一時期。でもどうもうまくいかないし、やりたい事とちょっとずつズレていってる感もあって、てなるとやっぱね、長編書いてるフォロワーというか、尊敬してる方々も多い訳で。
アイマス: いや、それであれ(爪弾)が出てくるなら、ずっと長編書いててほしい。
ナルセ: めっちゃお気に入りなんすね、あれが。
メシオチ: すげー気に入ってるなぁ。ありがたい事ですけど。
アイマス: いやーあれ大好きなんで。『meshiochislashいけるやん!』って叫びながら読んでました。
メシオチ: 自分で悪いとは思ってないんだけど、もっとやれたという感じはある。
ナルセ: なるほどなぁ……
メシオチ: いやでも頑張りたいですね、今後も。長編は。
アイマス: この対談を通じて私が爪弾を激奨していた事だけが残る。
メシオチ: それだけ残しても困るんだけど。
クド: ここに爪弾のURLがドーンと。
アイマス: しかしこの長編書きとして呼ばれた3人は長編を書きたくて書いてるわけじゃなくて、メシオチは書きたくて書いててナルセさんは意識して書いてるという。メシオチ: 逆ですよね。
クド: まあ長い事にね、価値を見出しちゃうと、長くするためだけにやっちゃうような側面もありますからね。
ナルセ: これは某k-calさんの引用なんですけど、
一同: イマジナリーk-cal「大いなる文字数には大いなる責任が伴う。」
メシオチ: でかでかと太字にして下さい。
ナルセ: あ、了解です。
『大いなる文字数には大いなる責任が伴う。』
アイマス: これはねー、ちゃんと引用しておかないといけない名言なので。ナルセ: ところでこれは本当にk-calさんが言い出した言葉なんですか?
アイマス: いや、わかんない。
メシオチ: 詠み人知らずって事にしといてください。
クド: でもあの名言よくわかんねぇんだよな。どんな作品にも責任は伴うでしょ。
メシオチ: 文字数は多ければ多いほど読者は疲れるんですよ。短編は読者が払うコストが少ない分……
クド: 短編は面白くなくていいと?
メシオチ: 短編の面白さと長編の面白さは単純に違う、ってvoteは存在する。長編が短編程度に面白いんじゃ許さないって人は居ます。
クド: それはやっぱり読み手側の傲慢ですよ。
アイマス: 傲慢ですよ読者はそりゃ。
メシオチ: お客様は神様ですから。
アイマス: vote(制度)というフォーマットがある以上、私達はそれと向き合っていかなければならない訳ですから。
クド: 文字数が多かれ少なかれ丁寧にちゃんと書こうってのは言いたいですね。
アイマス: ちゃんとする部分が長編と短編で変わって来るよっていう。
クド: 短編は切れ味ですよねやっぱり。
アイマス: 切れ味ですね。アイデアなり、オチの処理なり。
クド: そうなると長編の責任って何なんでしょうね?読んでよかったと思わせることでしょうか。
メシオチ: 最後までチョコたっぷり。
ナルセ: 満足感。
アイマス: やっぱり、長編は長さが故の辛さは出てくるんで、面白いまでいかなくていいと思うんですよ、つまらなくなければ。
メシオチ: 短編の集まりだって話をして、2/3がつまらない短編の集まりにuvは入れたくないって話なんですよ。
アイマス: 序盤が面白くても、中盤がめちゃくちゃダレていたらそれにuvは入れられない。
ニメスケ: まずは最後まで読ませること。
メシオチ: 何なら僕は台詞過激派なので、全部の台詞が凡庸な作品にuvは入れないっていうのは決めてるんで結構それでdv入れてますね。キラーワードが存在しない長編はカス。……カスとは言わない。キラーワードがない長編は責任を果たしてないと思います。
クド: 総じてね、熱量がこもってて面白いっていうのは一つの責任の果たし方だと思うんですよ。
メシオチ: これほど長い長編を読んでくれる読者がいることありきですからねまず。読者に感謝っ!それを忘れないようにしたいですねぇ~↑
アイマス: めちゃくちゃ良い風に纏めようとしてるな。
ナルセ: ……えー、収録が3時間に差し掛かってきたので、そろそろ最後の質問に移ってもよろしいでしょうか。
アイマス: あっまだ残ってたのか。
少年よ長編を抱け!
ナルセからの質問2: ずばり、長編ならではの強みとは何処にあるでしょうか。長編を書いたことがない著者に向けてアピールしてください。
ナルセ: という事で最後は長編の魅力について語っていって貰おうかなと思います。
メシオチ: 結構話した気がするな。
ナルセ: まあそうですね。
メシオチ: 完璧に話してはないかもしれない。
ナルセ: という事でカッチリ締めるつもりで2MeterScaleから、内容が重複してもいいので改めて。最後の纏めしか読まねぇ読者が居る可能性があるので。
ニメスケ: アッハッハッハ、なるほどね?
メシオチ: あとがきだけ読む読者ね。
📏
ニメスケ: あのー、やりたいことが全部できるんです長編は。あれもやりたいこれもやりたいそれもやりたいって時に全部やれて、楽しいっていう。これが出来るからこそ僕はむしろ長編の方が楽だと思ってて、書いてる間もそんなに苦しんでないです。
ナルセ: これはさっきのメシオチの『短編で新たに出来ることがなくなってきた』って話にも通じる所だと思うんですけど、一つ一つだと目新しさがないアイデアやテーマでも、長編で複数を合わせることでその組み合わせに新規性が生まれるのかなって思いました。
メシオチ: あーそれはねー
ニメスケ: 僕がシュガーサンと人妖大戦でやってるのはまさにそれなので。ある人の感想を引用しますけど、『なんか甘酸っぱい青春モノみたいな書き出しからシームレスに陰謀パートに移行したと思ったら急にインモラルが始まり気がついたら超絶カッコいいバトルとクソデカ感情合戦で〆られてんのどうなってんだ?』20
アイマス: ジャンルのごった煮。
ニメスケ: 全くその通りなんですよ。やりたいことを全部詰め込んだ結果なので。
ナルセ: 勿論一本勝負が悪いとは言わないですけど。
ニメスケ: 一本筋はあるんですけど、そのうえでなんでもアリができて楽しくなれるのが長編の魅力かなと思います。
🏝
ナルセ: じゃあ次行きますか、アイマス先生お願いします。
アイマス: はいはい。そうですね、財団という所でやる以上は秘密組織がいっぱいあって、異常な組織や人物がうようよしていてという魅力的な世界観がある訳で、そこでの事件や組織同士の争いや、世界観やキャラクターの動きをフォーカスして、しっかり掘り下げていくってなった時にやっぱり、数千字では足りないので。
アイマス: 深く掘り下げていこうと思ったら、それがしっかり描けるっていうのは長編の強みですし、頑張って数千字の作品を連ねていくとかでもなければ、どう頑張っても長編にならざるを得ないのかなってふうに思います。まあ自分が納得いくまでね、書いていこうとしたらどうしても長くしちゃうよ。
メシオチ: まだそこかって事ですよね、『まだ長編の強みもわからないんですか?』っていう。『考えれば長編になるってわかるよね』ってそういう事ですよね。
アイマス: いやいやいやそこまで言ってないから。設定にフォーカスした人ばっかりじゃないし。
アイマス: 設定書いて、組織の陰謀とか刑事ドラマとか推理とかやろうとしたら、特定のジャンルではやっぱり1万いっちゃうんですよ。だから、そういうのがやりたい人は長編を頑張ってこうねっていう話になっちゃうんですよね。
🍣
ナルセ: ではクドさん、どうぞ。
クド: やっぱり長編の最大の魅力っていうのはデカい風呂敷でデカいことが言えることなんですよ。自分が一番大事にしてるテーマってものがあったときに、それを複数、まあ私はサブプロットって呼んでますけど、複数のエピソードを組み合わせて、それを物凄く協調させて一貫性を持って作品として構成できるっていうのは凄く強みなんですよね。だから、言ってしまえばスシが回るっていう突飛な題材から、普遍的なデカいテーマを述べるって事は結構文字数を掛けないと出来なかったことで。
クド: 短いと勢いで押し切らないといけない所を、じっくりと語ることが出来るってのがこう、長いものの共通の利点だと思いますね。まあただ、長い分ダレたりとか、構成が難しかったりもある。諸々の困難も同時に生まれるんですけど、それでも枠組みとして骨が太いものは作れるなと思います。
ナルセ: そこの難しさは一人で戦う必要もないですからねやっぱ、折角批評とかブレストとかの環境が整ってるんだから。
クド: 後はノウハウもね。長編書いてる人は、みんな自分なりの物を持ってるという事が今回の対談で明らかに……なったのかな?ともかく、経験者のカラテは多分役に立つはず。
ナルセ: 今回の対談で、ゴリゴリの感覚派ってのは居なくて、皆どこかしらで理論と手癖を折衷してるんだなと感じました。
クド: そうじゃなきゃ書けないですからね、みんな自分なりのメソッドと成功体験と作品がある訳で。
アイマス: フィーリングの人も、自分の中では言語化出来てないだけで自分なりのメソッドはあるでしょうから。
メシオチ: メソッドもなく成功体験もなく思想もない著者なんて呼ぶなよ。
アイマス: 急に何なんだよ!
ニメスケ: 自虐?
メシオチ: 茶々です。……え、俺そうなの!?
ニメスケ: 冗談ですよ。
ナルセ: 本気だったらお蔵入りだよこの対談。
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ナルセ: じゃあ私行きますか、長編ならではの強み。これはさっきと被るんですけど、納得感を出すための最大のツールだと思ってて。で何の納得感を出したいって、私はだいぶ手前味噌で書くことが多いんですけど、どでかいシェアワールドの中に自分の確固たる立ち位置を築きやすいんですよ、長編って。
メシオチ: 成程ねぇ。
ナルセ: 例えばQ9ALTであればサイト-Q9ALTという舞台装置を財団世界の中に落とし込みたいなっていう意思表示をするうえで短編でポンっと設定を出すよりも、確実に長編で書いた方が納得感があるんですよ。
メシオチ: それは結構そうですね、スシブレードというものをシェアワールドで確立させたのは異聞伝だと思っていて、98だと初夏とかも割と長いじゃないですか。スシブレや98っていうカノンを見てるとそれは顕著だなって結構思いますね。短編でも出来ないことは無いけど時間は掛かるし。
アイマス: SCP記事なりGoIフォーマットなり短編なりでインパクトがあるものがあったとしたら、そこに説得力というか、世界観の中での確固たる立ち位置を与えて肉付けできるのは多分長編。他の事でも出来るけど、長編がそれは一番やりやすいツールという話になるんですね。説得力……うん、足場として。長編はすごく役に立つ、世界観の拡張という意味だと。
メシオチ: そう思います、かなり。
クド: ちゃんとしてたらね、という。
ナルセ: ちゃんとさせるのは勿論義務です。
アイマス: そう、やっぱり掘り下げのツールとして優秀ですから。
ナルセ: ですねぇ……さて、締めの言葉はどうしようかな。
メシオチ: 箍さん呼んで「クリシェw」って言わせよう。
ナルセ: やめろやめろ!
アイマス: ページマだそれは!
ナルセ: まあ……そうですね、この対談を読んできっと数多くの著者が長編を書こうと志してくださることでしょうから?
ニメスケ: でしょうからぁ?
アイマス: えぇ……
メシオチ: 長編を、書こう!
ナルセ: でしょうから、もし長編を書いてて行き詰ったなってなったら、
メシオチ: (言葉を遮って)長編を書こうというプレゼンになればいいですね、この企画が。
クド: 長編を書くためのオリエンテーション ~あなたはそれでも長編を書きますか~
メシオチ: 苦しいですプロットが要るです要らないですって、明確な答えが見つけられる企画じゃないけど、得られる部分は結構多かったなと思います。
クド: 単純にタメにはなりましたね。
メシオチ: こんだけ複数人の著者が居れば、自分に合った書き方も見つかると思うし、まあただ自分に合った方法って言ってプロットを書かないっていうのは、良くないかもしれない。
ナルセ: プロット書かない理由にはするなよっていう。
アイマス: 書けるなら書いた方がいいっすよ。
クド: 普段長編を書かない人にとって、一番有益だった情報は恐らく、『長編というのはシーンの連続であって、短編に比べると緩いテーマ性や切れ味でもそれをしっかりと繋いでいくことで、長い話は書けるんだよ』っていうのは、長編書き目線では全会一致でみんな言う事だと思うので、そういう所はぜひ参考にして貰いたいですね。
ナルセ: そうですね。
クド: それでシーンのつなぎ方で苦労するようだったら、ナルセさんが用意した質問の中でそれぞれにノウハウを答えているので、その辺りを引きながら、書きたい人はとにかく長編をまずは書いてみましょうという。行き詰って初めて構成とかの必要性が浮かび上がってくるはず。
ナルセ: 後はそうですね、もし手元で持て余してる短編のアイデアとかがあったら、『それ短編だから上手く行かない可能性ない?』って所はちょっと目を向けてみてもいいかもしれませんね。
ナルセ: それこそ2つぐらい短編の没案があるなぁって言うなら、『これとこれ悪魔合体させられるくない?』ってなって、そしたら短編じゃ文字数足りないよねってなったところで長編に手を伸ばしたりとかできるんじゃないかなってのは思いましたね、今回話を聞きながら。
クド: 真面目な話、共通するテーマを括りだせたら、多分それ普通に長編の種になるので。
クド: そういえば今回誰もテーマについて触れませんでしたね。
ニメスケ: テーマなんてのはね、書いてたら勝手に思いつくんですよ。
ナルセ: 閃いたもん勝ちですからあんなの。
アイマス: 使いたいシーンから逆算してテーマなんて作れるので。
ニメスケ: うん。
アイマス: まあ、長編を書いていて困るという事があれば批評は受け付けておりますのでね。
ニメスケ: 我々一同受け付けておりますので。
ナルセ: そう、それを言いたかった。(さっき遮られたやつ)
ニメスケ: 全員Taleならやってくれる。
ナルセ: ここは絶対カットせずに使うのでこれから批評がドッカドカ来ると思いますけど覚悟しといてください。
アイマス: 是非いつでも。
クド: その場合は企画書は付けといてください!
ナルセ: ……では、いいですかね?もう言い残したことは……いやまだ喋り足りないんでしょうけど、これを言いそびれたら死ぬみたいなのはありませんか?
アイマス: いやぁ~ないっすよもう。
メシオチ: 楽しかった、凄い楽しかった。
クド: 何なら第二回第三回やりましょうね。
ナルセ: 第二回はmeshiochislashがこっち側に来るので。
メシオチ: やだよ。俺まだ98対談の書き起こしもあるんだから!
ナルセ: じゃあ次回は、長編が『理解る』meshiochislash編で会いましょう!お疲れ様でした!
ニメスケ: お疲れ様でした。
メシオチ: 無茶ぶりすぎる!
アイマス: お疲れ様でした~
メシオチ: 地下東京で会おう!
<記録終了>
SCP財団問答部門からの挑戦状!
こんにちは!
SCP-JP''非公式''部門のSCP財団問答部門です!ご存知の方もいらっしゃるとは思いますが、普段はTwitterやみんなで早押しクイズ等にてSCPに関連する問題を出題しています。
今月は3月、ということで学校に関連したクイズを計9問を用意しております。皆様の挑戦をお待ちしております!
寄稿休載のお知らせ
今月の「財団世界 隠蔽事件記録」は執筆者の都合により休載です。
今月の「茜刺クロスワードパズル!」は執筆者の都合により休載です。
定例会予告
3/11 「下書きを見てもらおう」
担当: amamiel
3/18「海外支部の記事を読もう!」
担当: boatOB
3/25「下書きを見てもらおう」
担当: winter key
4/01「今日はどんな嘘吐いた?」
担当: amamiel
今後のイベント情報
4/1: 「緊急メンテナンス」
常設: 強化月間
人事報
2.03 スタッフ辞任
iti119 (テクニカルスタッフ)
2.15 コントリビューター任用
iti119(テクニカルコントリビューター)
Mishary (テクニカルコントリビューター)
N_Djamena (テクニカルコントリビューター)